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2話 誰かを助けて、助かること その2

前回までのあらすじ


山医者のヤクスリは山中で少年ミミと出会う。泊まる村を探していたヤクスリは村に入って行ったのだが、中は混沌とした状態であった。しかし、ヤクスリは、ミミが何かを隠していると察して問いかける…

ー2ー


「さあ、隠していることを話してもらおうか」


はっきり言って、明確なものはわかっていない。ただ単純に何かある、そう感じただけである。夜風はまだまだ冬を感じさせた。静かな山の中のこの村はなんだかとてもさみしい。そんな今にも頭がおかしくなる制度の中で、俺を泊めた。その優しさに感謝し、俺も頑張らなければいけない。ミミは視線を落とす。そして、覚悟を決めたようにゆっくりと口を開いた。


「俺の友だちが、この村に悪さをしてるんだ。とてもいいやつだった。まだ俺らが働く年じゃなかった頃はよく遊んだもんさ。そう、その頃ほとんどなかった掟を破るまでは」


声が徐々に重みがついてきた。


「悪いのは、リキの父親なんだ。リキの父親は、普通の農家だった。なにもしないでのんびりとしている人だった。でもその年はリキのとこだけ不作で思うようにとれずに困っていた。そこにあの村長が通りかかったんだ」


手を握りしめたミミの表情は、朝とは一変憎しみ、恨みの全てを集めたような顔をしていた。


「村長は珍しく機嫌が良くて、リキのところをとてもからかった。そしたら喧嘩になって…止めに入った父さんは巻き込まれるし…掟が、増えるし…だから…」


ミミは泣きそうなのを堪えていた


「そのとき掟の対象に当てはまるのがちょうどリキのところだけで…リキは次男だった…だから第1号として村長はどうするかは今後の掟にも関わるからって連れ去って…そしたら」


鼻をすする音が寂しい夜を深く、暗いところへ押しやっていく。今は彼の泣き声しか聞こえない。独特の静けさを、孤独さを、俺はぶち壊した。


「で、リキ君は殺されて、そしたらその年を境に村全体が凶作になり続けたため、一時期は人口を増やし、余っている土地を集落として、周りの森に勝手な境界を定めてその範囲で生活してるということか」


一息で俺はそのあと全てを言い当てた。彼はビックリしたように目を丸くしてこちらを見ている。ゆっくりと俺は微笑んだ。こいつら、ここの村の子供は皆親とともに過ごした記憶はほぼないのだろう。でもこんなことは、一人じゃ無理だよな。




「お前は頑張った。こっからは、俺、山医者の仕事だ」




そう言って抱きしめた。ミミは最初はとても身体を強張らせた。そして徐々に一枚の紙をくしゃくしゃにするようにヘナヘナと身体を預けた。そして、押し殺すように泣いた。やっぱりこういうのが一番安心するのだろう。俺は訳あって昔のことは思い出せないけど、こういうのは落ち着くことはわかる。夜はもうすぐ明けようとしていた。


翌朝、俺はさっそく情報を頭で整理していた。この事件にはレイが関わっていることが確かだ。そして、おそらくだが、リキ君は完全には死んでいない。とにかく、明日にはこの村を去るだろう。見物を兼ねて村をまわるか。彼はあの後散々泣いて、ふと見ると寝ていたので、寝かせておいて、そこからずっと今まで考えていた。するとムックリとミミは起きあがった。ハッとして俺の方を振り返る。数秒間無言の時間が続く。外では静かに朝がきている風が吹く。やがて彼は立ち上がり、昨日と同じように持つものを持って外へ出かけた。


後ろからついていったが、案外気付かれずについていけた。水を汲もうとした時に気づかれた。


「ヤクスリ!ついてきてたのか」

「ああ、村では言えないことがあってな」


ここならあいつらの目は届かない。俺は話すことにした。


「俺は今日中にこの問題を解決しよう。これは、俺が専門だ。これでもう普通の土地と同じように作物は育つだろう。」

「お前に、そんなことはできるのか?」

「昨日お前はレイを見ただろう。あのネズミはすでに死んでいる。しかし完全には死ねなかった。これがレイだ。完全に死んでこの世に未練がある時、いわゆる幽霊になる。レイは厄介な場合だ。未練もあり、死に切れていない。そのためいろいろなものに憑依し、害をなす」

「…それが。リキがそうなっていると…」


彼はバケツを落とした。トサッと含んだ音がする。


「…そうだ。ただ、俺もレイだ。リキは完全にレイかもしれないし、俺のように人に近い状態かもしれない。それによっては救える」

「それは本当なのか?」

「ああ、ただ、今日一日俺の手伝いをして欲しい」


ミミはバケツを拾った。日は完全に登った。




次にリキの家を見た。母親は、すでに頭がおかしい人となっていた。言葉を話さずただただ外を向いて笑っていた。よく見ると柱に縛り付けられていた。時々奇声を発しながら激しく悶えていた。話を聞けば長女が母の飯の時だけ来て与えるのだという。誰も掃除してないし、ひどいことになっていた。そして床に…あった。ポケットに入れておいたビンを取り出して、レイを中に入れた。続いて森の中でも何匹か採取した。ミミは話で聞いていただけで、リキの母親の実態を見た時気分を悪くしていたので、家に返した。木々がやたらと騒がしく、うるさい昼を過ごした。


いよいよ、覚悟を決めなければ。

こんにちは。花恋音です。だいぶ進んできたのではないでしょうか?とはいっても1話に引き続き書いていたので、あんまり時間は経っていないんですが…。現在(12/8 17:00)0話で、まさかの46PVをいただいていました。最初は誰も見てくれないんだろうなーと思いながら、見て見たので、勢い余ってこれも書き切ったというわけです。応援よろしくお願いします。ご意見、ご感想はこのページまたはTwitter(@karen_7110)までぜひ、お願いします。アドバイス等々、本当に今欲しいものです!そしてなるべく反映させていく次第です。これからもよろしくお願いします。それでは次回、いよいよクライマックス、お楽しみに。


今年のクリスマスイブは病院ですT^T

かれん

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