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メカヲタ転生して守護竜になる ~兵器の性能差が勝敗を分かつ絶対条件だと教えてやる!~新装版!  作者: ななよん


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第二話 メカヲタ 鑑定を受ける

挿絵(By みてみん)


謁見の間に連れて来られた僕はメルフィーナに抱きかかえられたまま王の前へと進んでいく。

前の人生から考えてもこんな事態は自衛隊に所属して居た頃にセレモニーで見た統合幕僚長を拝見した時くらいだ。


広間に通されると、玉座に座る男と目が合った。

年齢は五十前後だろうか。白髪交じりの髪、深く刻まれた皺、でもその目だけが妙に鋭かった。

疲れた王様、という第一印象だった。

でも違う。

よく見ると、その目は僕を見ながら同時に周囲全体を見ていた。広間の空気を、貴族たちの反応を、僕の一挙一動を、全部同時に処理してる目だった。

(切れる人間の目だ)

王が口を開いた。

「よく来てくれた、竜よ。知性を感じる目をしているな?我の言葉が解るな?」

挨拶でも儀礼でもなく、いきなり核心を突いてきた。

僕は少し考えてから頷いた。

王が微かに笑った瞬間、尻尾がピンっと立った。

(ああ、この男は分かってる)


「我が名はマルキウス・フォン・ドラグロード。」

「生まれたばかりでも、そなたの方が愚王である我よりもずっと格上だ。礼儀等は不要、自由にすると良い。」


そう言って二カっと笑ってみせた王には先程までの威圧感は無くなっていた。

(この男、だいぶ優秀だな・・・。)


メルフィーナは僕をそっと下すとカーテシーを美しく行い王の傍へと歩んで行った。


周りを観察するに大臣やら騎士やらがずらっと並んで僕を見ている。


場慣れする程はこういった経験が無い僕としてはどうしていいか反応に悩むところだ。


「言葉は理解していそうだが、話せはしないといったところか。ふむ、先に鑑定を済ませよう」


そう言って運ばれて来たのは大きな水晶版だった。「それは鑑定の魔法装置だ。」

ドラグロード王が言うにはこの水晶には鑑定の魔法が込められており、対象を写しキーワードを唱えると鑑定してくれるらしい。


宮廷魔術師なのだろうか、王がいつの間にか僕の隣に来て説明しだすものだから仕事を奪われて右往左往している。

思わず気を使って慌てる魔導士に声をかけてしまった。


「あぎゃ?」ああ、そうだった。こんな声しか出ないんだった。


それでも王が魔術師に気が付くきっかけにはなった様だ。

王は魔術師に場を譲り、魔術師が僕に説明の続きをし始めた。


「まずはあなた様の鑑定を行わせて頂きます。そこでじっとしておいて下さいね。」


ややオドオドとした感じだが、僕は素直に手を挙げてあぎゃっと返事をしておく。

周囲が一斉にほっこりした空気になったのを感じた・・・。


水晶には僕が映っている。なるほど、4枚羽を生やした白いワンコだなこりゃ。角と鋭い爪、少量の鱗はあるが8割は白い犬に見える。

水晶が動き出し次第に何かが放射されたのを感じた。

やがて僕の目には理解できるはずのない文字が映し出され、空間に魔法陣らしきものが展開されるのが見えた。


これが鑑定の魔法なのだろう・・・。いや、人生(竜生も含めて)初めての魔法体験である。

しっぽがバンバンと床を叩きまくっているが、今は気にしない。

初めての魔法はメカヲタ属性の僕にとっても衝撃的だったからだ。


異世界転生系鉄板のファンタジー要素たる理由である魔法だ。専門では無いが一般レベルを超える程度には嗜んでいる。

軽く説明するなら、古くは某島で騎士とエルフの冒険に始まり、転生先で魔王になったりするくらいまでは網羅していると思ってくれれば差支えない。


そんな思いを馳せるほど、テンションが上がっているのが尻尾を見るまでもなく分かっていた。


術式が収束し鑑定結果が表示される。「古代竜種(幼生体) 属性不明。」


何だ、ずいぶん大掛かりな割に分かる範囲が狭いな。


「何と、古代竜種!それではこの鑑定版では鑑定しきれませんな・・。」魔導士がぐぬぬぬとなっている。


そこで僕はふと気になって鑑定版に触れてみる。

僕の目にはこの鑑定版に書き込まれた術式が見えるし、理解できるのだ。

それが転生ボーナスなのか古代竜種の能力なのかは分からないが。


ふむ・・・、これはこの魔法陣をちょっといじれば性能アップしそうだな。

理解出来れば、これは一種のプログラム言語の様なものだ。

プロンプトも適切に入れればもっと効率よく動きそうだ。

異世界で元の世界のAI技術が役立つとは不思議なもんだが、時と場所、科学と魔法が違っても作られる技術にはどこか似た要素があるのかもしれない。



魔法の論理演算はどこでやってるんだろう?と疑問はあったが今はいいか。


一部プロンプトの最適化と魔法陣の書き換えをすると水晶版は再度起動した。

先程よりスムーズな展開と速さで鑑定が終了する。


「古代竜種(幼生体) 属性 雷・地・空。」


よしよし、鑑定できたな。まるでPCみたいじゃないか・・・、ん?PCみたい?

ピンっと跳ね上がった尻尾と顔?を合わせる。

(これって上手く使えばプログラミングが出来て、PCっぽい事も当然できるんじゃないか?)

尻尾がスパーン!と床を叩く。


「何とトリプルですと!」


突然横で魔術師が大声を出すからビックリしたじゃないか。


「王よ、トリプルの古代竜種ですとメルフィーナ様であっても魔力量が足りません。」


周囲はどよめき騒ぎになりつつある。

メルフィーナも真っ青な顔をして立ち尽くしている。


ドラグロード王の表情も硬くなっていた。


(誰でもいいから状況説明してくれないかな?)

僕はとりあえず、横であわあわしている魔術師のローブを掴みグイグイっと引っ張った。


僕に気が付いた魔術師に向かって僕はこれ見よがしに首をかしげて「あぎゃ?」と不思議そうに聞いてみた。


場の空気が少しだが和らぐ。

「ご説明致します。我らが国ドラグロード王国は100年~500年ごとに始祖竜から授けられる竜と契約し国防の要としているのです。」



ほう?国防に竜と契約・・・、で察するに契約には魔力が必要でメルフィーナの魔力を持ってしても僕と契約は難しいって事か。

ふんふんと頷きながらふと気が付く。

え?それって僕がお払い箱ってこと?尻尾も跳ね上がった後ぐったりとしてしまう。

しょぼんっとした僕を見て魔術師が慌てて声を張り上げる。


「方法が無い訳ではありません!魔力を使った拘束の契約が出来ないだけで、言葉による契約は可能で有り国防には拘束契約は必要とされておりません!」


要するにこうだ。


①始祖竜がよこした卵を人の手で孵化させる

②名前と契約を持って守護竜とする

③逃げられては困るので魔力を対価に拘束魔法で縛る←ここ

④竜が危機に陥った場合、始祖竜がその竜の軍勢を持って守りに来る


と言う事らしい。


僕とメルフィーナの契約には僕のスペックが想定外で(ドヤァ)拘束契約が不可能な為、命名と契約のみで言ってみれば拘束力が低い為契約不履行が心配だって話だね。

地球の契約でも大国が小国と契約すると、やっぱ無しってされたりあったもんなぁと妙に納得できた。


まあでも、それは僕が契約を守ればいいって話なんだけど・・・、その為にはもう少し彼ら、彼女らの事を知る必要があるだろう。


僕はとととっとメルフィーナに走り寄って両手を挙げた。抱っこの姿勢である。

メルフィーナは動揺しながらも僕を抱き上げた。


僕は抱かれたまま、王の目を見る。


「ふむ、生まれて直ぐに信用も何もあるまいな。鑑定版の改良見事であった。メルフィーナを連れ王国内での自由を約束しよう。」


自らを愚王とのたまうドラグロード王だが、その実かなりの切れ者なんだろう。

満足な回答を貰った僕はメルフィーナと共に謁見の間を後にした。


メルフィーナは僕を抱きかかえてトボトボと歩いている。その表情には明らかに元気がない。

じっと顔を見上げていると、メルフィーナが僕の視線に気が付いた。


「失礼致しました。古代竜様。どこか行きたい場所はございますか?」

色々不安を抱えているだろうに気丈に振る舞う様は流石に王女様といったところか。


行きたい場所ね、まずは何と言っても情報だな。そして何かしらのコミュニケーション手段が必要だ。

身振り手振りで必死に伝えてみるが半分くらいは??で埋まった感じがする。


それでもどうにか本が読みたいと書く物が欲しいは伝わった様で一安心だ。


まだまだ分からない事ばかりだが、魔法の発見は大きな前進に違いない。

その上僕の属性が雷・地・空と言うのも検証したいところだ。

(雷、地、空か。雷は使い道が色々浮かぶ。地も同様だ。空は……まあ追々だ。検証することが一気に増えた。)

まずは情報収集だ!

尻尾が僕の後ろでゆらゆらと揺れていた。

読んで頂きありがとうございました!


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感想やご意見有れば是非お聞かせくださいね!

(っ ॑꒳ ॑c)ワクワク

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