第85話 最終演目
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パッ……
テントの照明が落ち、あたりは真っ暗闇になった。
バン!!
照明が戻ると、マイクを持ったアリサが空中ブランコに乗っていた。
「女が二人!?」
「一体どういうことだ!?」
「ハハハ!! ピエロ君!!」
「どうやら… まだ、タネがわかってないようだね!!」
「よろしい!! タネ明ししてあげる!!」
シュウウウ……
地上にいるアリサから白い煙が出始め、煙が体を覆った。
「何だ… 何が始まるんだ…?」
シュウウ……
煙が引いていった。
「……」
「これは… マネキン…?」
「ご名答…」
「その子はマネキンの“ニセアリサ”!!」
「何にでも姿を変えられる能力らしいから、私に変わってもらっていたんだ…(あまりにも似すぎてて、刺されたときゾッとしたよ…)」
「それに…」
「ジジジジ!!」
「ニセアリサの中に、じしゃくんたちも忍ばせておいたのさ!!」
「……」
「アリサさん凄いな…」
「もう俺、全く話についていけないよ…」
「イヤマダマダ… ホントウニアリサガスゴイノハコレカラダヨ…」
「……」
「フフフ… ハハハハハ!!」
ピエロは腹を抱えて笑い出した。
「何だよ… 何なんだよ…」
「本当に… 本当に… 本当に…」
「一体お前は何者なんだ!?」
「……」
「何者かぁー…」
「強いて言えば…」
「そこそこ有名な人形遣いかな…」
「……」
「まぁ… それは置いといて…」
「気を取り直して…」
「アリサのサーカス最終演目!!」
ゴゴゴゴゴゴゴ……
「何だ!? さっきと同じ揺れ…?」
「まさか… また、テンちゃん!?」
「シン達!! 危険だからテンちゃんの外に避難して!!」
「はい!! わかりました!!」
シュウウウ……
フーーッ!!!!
「うわっ!!」
シン、アリサ達が命を与えた物達、サーカスの動物達はテンちゃんが放った突風によって、外に飛ばされた。
「ナイス!! テンちゃん!!」
「クソピエロだけ、残してくれて…」
「さてと…」
アリサは梯子を伝って地上に降りた。
「……」
「何かダサくね…」
「まぁ… いっか!!」
アリサはピエロに向かって歩きだした。
「あの女何考えてるんだ…」
「生身の体で男の俺に勝てると思っているのか…?」
「それとも… 何か武器を持っているのか…?」
アリサはピエロの前に立ち止まった。
「最後に言っておく…」
「あんたは私が最も嫌いな種類の人間だ…」
「だから… 徹底的に懲らしめさせてもらうよ…」
チッ…
「死にやがれ!!」
ピエロはアリサに殴りかかった。
パン!!!!
「ん!?」
「体が動かない…」
「何だこれは…」
「ロープが体に…?」
「これは… テンちゃんを固定しているロープだよ…」
「テンちゃんが操っているんだ…」
パチン!!
アリサが指を鳴らすと、奥の部屋から大量の風船が現れ、紐がピエロの体に巻き付き始めた。
「くそっ!! ロープの次は風船…」
「一体どういうことだ!?」
「……」
「今からあんたには空を飛んでもらう…」
カラン…
ピエロからロープが外れると、ピエロの体が宙に浮き、テントの外に飛んでいった。
「あっ!! ピエロが出てきたぞ!!」
「……」
「何で、風船の紐が体に巻き付いてるんだ…?」
「離せ!!」
「鬱陶しい風船め!!」
パン!!
パン!! パン!! パン!!
風船はテンちゃんの中心にあるフラッグの上に到達したときに、勢いよく割れだした。
「……」
「うわっ!!」
ピエロはその場で落ちていき、旗がピエロを包み込んだ。
うっ… 動けん…
「……」
スタ… スタ…
アリサがテンちゃんの外に出てきた。
「お待たせしました!!」
「悪党ピエロを懲らしめる…」
「アリサのショー…」
「最終演目…」
「回る!!!! 大サーカステント!!!!」
ゴゴゴゴゴゴゴ……
「どうぞ… 最後までお楽しみくださいませ…」
グルン…
グルン…
グルン… グルン…
グルン… グルン… グルン…
グルン… グルン… グルン… グルン…
グルグルグルグルグルグルグルグルグルグルグル!!!!
テンちゃんが砂埃を立て大きく回りだした。
「うっ… うわっ!!」
「すごい風だ!! 飛ばされる!!」
グルグルグルグルグル!!!!
「くそっ…」
「もう何も… 考えることが出来… ない…」
ガクッ…
ピエロは気を失った。
「あっ… アリサさん!!」
「一体いつ止まるんですか!?」
「……」
「それは… テンちゃん次第だと思う!!」
グルグルグルグルグルグルグルグル!!
グルグルグルグルグル!!
グルグルグル!!
グルン… グルン… グルン…
グルン… グルン…
グルン…
グルン…
テンちゃんの回転が止まった。
スルッ…
ボン…
気絶しているピエロは地面に落ちていった。
「おっ… 終わったのか…?」
「みたいだね…」
「あとはアイツを政府の守護人に引き渡せば…」
「私たちの仕事は終わり!!」
「うーーん…」
アリサはその場で伸びをした。
「あー… 疲れた!!」
「アリサさん…」
「ひとつ聞きたいんですけど…」
「ここって…」
「こんな草木1つ生えない荒野みたいでしたっけ…?」
「……」
「多分… こんな感じだったと思うよ…」
うすうす感じてたけど…
テンちゃん流石にやりすぎじゃね…?
まぁ… いっか!!
第85話 FIN




