第84話 アリサのショー
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「ふぅ… やっと揺れが収まった…」
「アリサさん… 一体何に命令したんですか!?」
「……」
「上を見て見な…」
「上…?」
ギロッ……
「うわっ!?」
「なんか大きな目が空中に浮いてる!!」
「……」
「違う… 空中に浮いてるんじゃない…」
「くっついてるんだ…」
「サーカスのテントに…」
「そう…」
「私が命令をしたのは…」
「このテント…」
「テントのテンちゃんに命令したのさ!!」
「……」
「あれっ… 何も、喋らないな…」
「あっ… テンちゃんはシャイなんだよ…」
ズコッ!!
「まぁいいや…(物に性格なんてあるんだな…)」
「ともかく… ありがとう!! テンちゃん!!」
「助かったよ!!」
「……」
ニコッ…
「ハァ… ハァ… 何だと…」
「このテントに命令しただと…?」
「あの女こんな大きな建物を操ることもできるのか!?」
「今さらながら、一体何者なんだ!?」
パッ……
テントの照明が落ち、あたりは真っ暗闇になった。
パン!!
暗闇の中、スポットライトの光がアリサを映し出した。
「レディース!! アーンド!! ジェントルメン!!」
「アリサのサーカスにようこそ!!」
「今日は心置きなく… 楽しんでいってくださーい!!(お客さん誰もいないけど…)」
「あっ… アリサさん、すっげーノリノリだ…」
「フフフ… 今からお客様にお見せするのは…(ピエロ野郎のモノマネ)」
パン!!
「ピエロの空中ブランコ!!」
スポットライトがピエロの方に集中した。
「くそっ… あの暗転した一瞬で…」
「猛獣についてた首輪が俺の体に!!」
「うっ… 動けん…」
「さぁ… アシスタントのシンさん…」
「そのクソピエロさんを…」
「舞台へ…」
「あっ… はい!!」
「グフグフ…」
「えっ…(にやっ…)」
「おっ!! おいやめろ!!」
シンはピエロを大砲君の中に入れた。
「準備完了です!!」
「よし!! 目標は…」
「空中ブランコのスタート台!!」
「了解です!!」
ジュッ…
シンは大砲君の導火線に火をつけた。
「頼むぜ… 大砲君…」
「あんまり勢いよく飛ばしすぎるなよー…」
「グフ!!」
「やめろ!!」
ボン!!!!
大砲君は、空中ブランコのスタート台に向けて中のピエロを発射した。
ガン!!!!
「おっ!! ちょうど台の上に乗ったぞ!!」
「ハァ… ハァ… 死ぬかと思った…」
スルスル…
「なっ… 何だ!?」
空中ブランコのロープがピエロの体に巻き付き始めた。
「さぁ… 皆さん… ハラハラドキドキの瞬間ですね…」
ずるずる…
ピエロの体は巻き付かれたロープに引かれ少しずつ、宙へと引きずられ始めた。
「嘘だろ…?」
「うっ… うわっ!!」
ピエロの体は宙ぶらりんになった。
「たっ… 助けてくれ!!」
「こんな高さから落ちれば…」
「死んじまう!!」
「……」
「ダメ…」
「あなたには死をもって償ってもらうわ…」
ズルッ!!
ピエロの体に巻き付いていたロープがほどけ、ピエロの体は地面に落下し始めた。
「くっ… くそっ!!」
ガッ!!
「フフフ… なんて嘘…」
反対側から来たブランコのロープが絡まり、ピエロの体はまた宙ぶらりんになった。
「たっ… 助かった…」
「……」
「流石に命までは奪わないわ!!」
「その代わり…」
「ちゃんと罪を償いなさい!!」
「……」
「わかった…」
「罪は償うから…」
「俺を解放してくれ…」
「フゥ… アリサさん、本当に地面に叩き落とすと思ったよ…」
「ピエロ野郎も改心したようだし… これにて一見落着…」
グサッ!!
「あっ… アリサさん!!」
3本のナイフが後ろからアリサの両太もも、右腕に刺さった。
バタン!!
アリサは自分の右腕を抑え、両膝立ちになった。
「ハァ… ハァ…」
カラン…
「よし… 体から、首輪が外れた…」
スパッ…
ピエロは操ったナイフで自分に巻き付いたロープを切り、華麗に地面に着地した。
パチパチ……
「いやー… 何となく予想していました…」
「あなたが、私がを殺す意思がないこと…」
「どうでしたか… 私の演技は…」
「うまかったでしょ…」
「それじゃあ…」
「サヨウナラ……」
シュッ…
ピエロはアリサの心臓に向けて、ナイフを投げた。
「ハァ… ハァ…」
「奇遇ね…」
「私も…」
「あんたが改心してるなんて、微塵も思ってなかったわ…」
グサッ……
バタン…
ピエロの投げたナイフはアリサの心臓に刺さり、アリサはその場で仰向けになった倒れた。
「アリサさん!!」
シンは倒れたアリサの元に寄り、抱き上げた。
「フフフ…」
「私を虚仮にしたからですよ…」
「脈がない…」
「本当に死んじまったのか…」
ぐすっ…
シンはその場で涙を流し始めた。
「フフフ…」
「次はあなたですよ…」
「ピエロ野郎…」
シンはアリサをその場に寝かせた。
「お前は… 絶対に許さない!!」
「許さない…?」
「フフフ… だったら、どうするつもりなのですか!?」
「まさか… 私を倒すとでも…?」
「あの弾が無い大砲で!?」
「グフ…」
「その女もそうですが…」
「私を舐めすぎじゃないですか…?」
「まぁいいでしょう…」
「さぁ… ナイフ達よ!!」
「私の元に帰ってきなさい!!」
アリサの体に刺さっているナイフは、アリサの体を引っ張り、ピエロの元に帰ろうとし始めた。
「……」
おかしい…
どうして、女の体からナイフが抜けないんだ…?
「レディース!! アーンド!! ジェントルメン!!」
「!?」
「女の声!?」
「長らくお付き合いいただきありがとうございました!!」
「名残惜しいですが、アリサのサーカス最終演目…」
「最後までお楽しみくださいませ!!」
第84話 FIN




