第82話 トラック危機一髪!!
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ブイーン……
トラック5台のウイングが開いた。
「……」
「さぁ… 愉快なキャストの登場だ!!」
トラックの荷台に手足と口を縛られたサーカスの団員が衰弱した状態で閉じ込められていた。
「ん!?」
「どうした!?」
「お客様の目の前にいるのに、みんな元気がないぞ!!」
「アリサさん… あの人達あざだらけだ…」
「……」
ぐっ……
アリサは無言で拳を強く握った。
「フフフ…」
「トラックはこのウイングが開いた状態で走らせます…」
「ということは…」
「もし、荷台から落ちると…」
「体ごと… トラックがぺしゃんこに…」
「うるさい!!」
「!?」
「ピエロ野郎…」
「あんた… 一体何人…」
「関係のない人たちを…」
「私の友達を傷つけたと思ってるんだ!!」
「もう許さない…」
「私があんたのショーをめちゃくちゃにしてやる…」
「……」
ブーーン…
トラックは少しずつ走り出した。
「フフフ…」
「それじゃあ… その様子を…」
ピエロは大きくジャンプして、空中ブランコの椅子に座った。
「ここから、見させていただきましょうか!!」
ブーーン!!
「やばい!! あんなのにぶつかられたら、ひとたまりもないぞ!!」
「かといって… この状況を打破できる方法は…」
「そうだ!!」
シンは、背負っていたリュックサックから、金と銀の腕輪を取りだした。
「アリサさん!!」
「受け取って!!」
アリサはシンに投げられた金の腕輪を受け取った。
「!?」
「何これ…?」
「説明は後!! ともかく、それをどっちかの腕に着けて!!」
「……」
「わかった…」
カチッ…
アリサは、金の腕輪を右腕に着けた。
「よし… これで何とか…」
カチッ…
シンも、銀の腕輪を右腕に着けた。
「ともかくだ…」
「何か武器になりそうなものを探さないと…」
ブーーン!!
シンに向かって、トラックが走って来た。
「あっ… 危ない!!」
シンは、間一髪突進してくるトラックを避けた。
「痛てて…」
「ん!?」
「これだったら…」
「えーっと… 確か…」
「私は… 主…」
「今から、汝の望みと引き換えに、命令を与える…」
シンは目を閉じ、大砲に触れた。
シンが触れた大砲が強い光を放った。
「やった!! 成功だ!!」
「グフフフフ!!」
大砲に目と、白い手が生えてきた。
「よし!! 君の名は…」
「大砲くんだ!!」
「……」
大砲は怪訝な顔をした。
「あれっ…」
「まぁ… いっか!!」
「大砲くん!! 俺に力を貸してくれ!!」
「グフグフ!!」
大砲は体を上下に揺らし、奥の部屋に行くように指示をした。
「ん…?」
「わかった!! ともかく、あの部屋に行けばいいんだな!!」
「グフ!!」
大砲は頷き、白い手で自分の導火線を指さした。
「……」
「そうか!! あの部屋には砲弾があるってことだな!!」
「よし!! 危険だが、やるしかない!!」
シンは大砲が指示した、部屋に向かって走り出した。
「ん…?」
「あのチビ… 何か走り出したぞ…」
「それに、さっきの光、あの女が物を操るときの光と似ている…」
「面倒だ…」
ブーーン!!
シンの行く方向に3台のトラックが横並びになった。
「くそっ!! これじゃ、進めない!!」
「シン!! 危ない!!」
「!?」
1台のトラックがシンの後ろから、突っ込んきた。
「フフフ…」
「まずは… 1人…」
ドン!!!!
1台のトラックが、横並びになった真ん中のトラックのウイングに衝突した。
「……」
「えっ…」
「何か… 俺飛んでね…?」
「これが、幽体離脱ってやつ…?」
「……」
バサッ… バサッ…
「!?」
「まさか…」
「龍ちゃん!!」
龍ちゃんはシンの首元を加えて飛んでいた。
「俺を助けてくれたのか…?」
グォォォォォ……
「フラフラじゃないか…」
スタッ…
龍ちゃんはふらつきながら、シンを部屋の前まで送り届けた。
「龍ちゃん!! ありがとう!!」
「助かったよ!!」
グォォ……
龍ちゃんはシンに背を向けて、その場に座った。
「……」
「龍ちゃん… もしかして、俺を大砲君の所まで運んでくれるってことなのか…」
コクッ…
龍ちゃんはシンの方を向いて頷いた。
「わかった…」
シンは部屋中を探し、砲弾が入った木箱を見つけ出した。
「よし… これだな…」
「ん!?」
「結構重いぞ…」
シンは木箱を両腕で抱え、龍ちゃんの背中に乗った…
「龍ちゃん… 重いかもしれないけど…」
「頼む…」
バサッ… バサッ…
シンを乗せた龍ちゃんはその場で羽ばたき、体を宙に浮かせた。
グッ……
グォォォォォ!!!!
龍ちゃんは大きな雄たけびを上げ、凄いスピードで大砲くんの方に飛び出した。
「うわっ… 早い!!」
「もう、着いたぞ!!」
バサッ… バサッ…
バタン…
龍ちゃんはシンを送り届けると、その場で力尽き倒れた。
「龍ちゃん… 本当にありがとう…」
「あいつは絶対に倒すから…」
「ゆっくり休んでいてくれ…」
「うーーん… あのドラゴン…」
「邪魔しやがって…」
「もっと痛めつけておくべきだったな…」
「まぁいい… これも、ショーの一環だ…」
「アーサー… 1つ提案がある…」
「ン!? ドウシタノアリサ…?」
アリサはアーサーに耳打ちをした。
「ウーーン… ワカッタ…」
「ありがとう… けど、これをするにはちょっと時間がかかるんだ…」
「その間、シンと一緒に闘ってあげて!!」
「さーて… ピエロ野郎…」
「こっから反撃開始させていただきますぜ…」
第82話 FIN




