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我ら㈱四葉工務店シリーズ  作者: おしるこ


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7/10

我ら㈱四葉工務店.リフォーム部2

「ごちそうさまです…おいしかったです!」

〚そりゃよかったな〛

車に乗り込む

あれ、深山さんたちどうやって帰ったんだろ

〚どこ見てんだよ〛

「え?」

双葉さんは窓の外を見ていたわたしの顔をぐいっと自分に向けた

「いひゃい…」

〚こっち見てろ〛

「なんでですかー」

〚返事〛

「はい…」

運転してる双葉さんを見てればいいのかな

指細い…綺麗…

ネクタイ緩めてる

〚ほら、着いたぞ いつまで見てんだ〛

「え?理不尽…」

〚行くぞ〛

え?戸建て?え!?ご家族いるの!?

「え、ちょっと!待ってください」

〚なんだよ〛

「あの…ご実家…なんですか?」

〚は?ちげーよ 俺のうちだ〛

「…」

お坊ちゃまー…マンションの一室とかじゃなくて

家なんだ…

〚言っとっけど…親父の金で建てたわけじゃねーからな!内装の勉強のために建てたんだ〛

「そんなこと思ってませんてば」

"ガチャッ"「っ!!」

カギ締めた!?

〚何ビクついてんだよ 入れ〛

「はい…」


広…ここで一人暮らししてるんだー…

でも なんだろう 逆に広すぎて寂しそう

お友達呼んでパーティーとかしたら楽しそう


〚何考えてる?〛

「え?あ、いや…お友達とか呼んだら楽しそうな

おうちだなって…」

〚…友達なんかいねぇ〛

「え?」

〚うちのメンバーと何人かしか信用してない〛

「…部長から聞きました いろいろあったそうですね」

〚それでも、お前のことは…〛

「…無理しないでくださいね」

〚え?〛

「長くかかってもいいんです 少しずつ信用してもらえるようになれれば、それで」

〚…信用してる〛

「双葉さん…」

〚覚えてるか?初めて会った日に、お前を連れて公民館に行っただろ〛

「はい」

〚深山に言わせると、アレもおかしかったらしいんだよな〛

「え?」

〚初対面の、しかも女と二人っきりで車で…なんて

普段の俺なら考えられないってよ〛

「…」

〚きっと、あの時から お前のことは…どこかで意識してたんだろうな〛

「そう、でしたか…」

〚あんなに怒鳴ったのも、お前にだけは…裏切られたくなかったからだ、と思う…

他のやつに同じことされてもやっぱりなって終わらせてた でも、お前だと 変なんだよ〛

「…」

〚好きだ お前が〛

「双葉さん…」

〚こんな俺でも、好きになってくれるか?〛

「…好きになってくれるか?というか

もう、好きなんです」

〚…!〛

「きっと、見つけてくれるって信じてました」

〚遅くなっちまったけどな〛

「ほんとですよー」

〚約束してくれ〛

「はい?」

〚俺の事を絶対に裏切るな〛

「はい…わたしの約束も聞いてくれますか?」

〚なんだよ〛

「何があっても信じてください」

〚…おう 信じている〛



【深山point of view】


〈お疲れー四谷さん〉

[送ってもらってありがとうございます!]

〈はいはーい ほら、篠塚くん行き先!〉

《あ、先いいんすか?運転手さん、〇〇にお願いします》

〈一緒に帰るの〉

《え…いいんすか?》

〈いつだってよかったのよ?〉

《雪乃さん…》

〈グイグイ来てくれないからなー君は〉

《…後で後悔させますからね》

〈…ふふ〉

ドキっとしちゃった


みんな"私と充"とか"私と健太郎"とか噂してたけど

勘弁してよね

あんな猛獣たち ごめんだわ


彼氏にしたいのは

草食系の君、がいいの


〈どうもーありがとうございました〉

篠塚くんが払おうとしてたけど

先輩に任せなさいってね

《あ!雪乃さん、俺アレ…持ってないっす》

〈…いる?〉

《そういうのは…ちゃんと…

あ!そこのコンビニ行きましょう》


下着とか、他にもお菓子とかプリンとかいろんなの買いすぎちゃった


君といると何でもないことも本当に楽しいの


《雪乃さん》

〈ん?〉

《ずっと好きでした》

〈私も〉

《え…ほんとに!?》

〈君の気持ちも知ってたよ〉

《うん…》

〈グイグイしてこない君が可愛くて泳がせてたの〉

《…意地悪ですね》

〈好きだから意地悪しちゃうのかも〉

《雪乃さんっ》


ーーーーー


草食系だと思ってたのに

こっちは猛獣だったか…


寝てる顔は可愛いのにね 


《ん…》

〈好きよ…大樹〉


私も寝よ…おやすみ



【双葉point of view】


やべぇ…

破壊力強すぎだろ…


これが彼シャツってやつか

「大きいですねぇ…」

じゃねーよ!!

はぁ…


「双葉さーん」

〚…なんだその顔は〛

「だって何も言ってくれないんだもん」

〚…可愛すぎるんだよ!お前は!〛

「お、怒ってます!?」

〚怒って…はねぇよ〛

「よかったー」

〚なぁ、名前なんだっけ〛

「夏菜ですけど…」

〚夏菜〛

「はい」

〚俺のことも名前で呼べよ〛

「…充さん?」

〚さんなんか、なくていいけどな〛

「だめです!」

〚なんでだよ〛

「年上の人を呼び捨てなんて…」

〚だからいいんだろ?〛

「えぇ?」

〚呼んでみ〛

「…」

〚早く!襲うぞ〛

「!!み、充…」

〚良くできました〛

「ひゃっ 充さん!?」

〚…今からさん付け1回で1枚脱がせる〛

「ちょっ!」

〚まぁ、どーせ全部脱がせるけどな〛

「わーっ!」

〚…夏菜〛

「はいっ!?」

〚好きだ〛

「わたしも、好きです…」

〚…あー本当に好きだ…夏菜…〛

「…」


ーーーーー


なんなんだろうな

夏菜といると

本当に落ち着く


運命なんじゃないか…?


…そんなこと思うなんて

初めてのことだった


お前も、そう思ってくれるか?


なぁ?夏菜…


「…」

寝てるし

激しくし過ぎたか


ごめんな 夏菜


もう…離してやれないからな

「充さん…」

あっ…さん付けしやがった…脱がす


「ひゃあ!?な、なんですか!?」

〚寝言でさん付けしてたぞ〛

「ちょっとー!知りませんよー!寝てたのに!」


〚…〛

「な、なんですか…?」

〚えろ…〛

「…へ?」


夜は長いんだ


寝かせねぇからな


ーーー


さて、今日はリハーサルだな

あーねむ…昨日もやり過ぎたかもしんねぇ


〈桜井さん、まだ入ってきちゃだめよ〉

「はい!わかりました!」

夏菜には言ってないサプライズがあるんだ


だいぶ時間はかかったが…準備出来たな

《桜井さん、いつでもいいっすよ!》

「はーい!じゃあ、入りますね?」


そろそろ、四谷がいるとこらへんか?

「わっ」

…初めはこんなもんか

「ひぃっ!」

篠塚だな

ガタゴト音がする

…大丈夫か…心配になってきたな

「キャッ…うぅ…」

これは深山だな あいつ、張り切ってたからな…


次は俺の番だな

最恐を見せてやる…


「キャーッ!!!」

え?俺のとこには来てないよな?

「やだ…ひぃっ!!充さんっ!!たすけてっ」

!!!

〚おい!夏菜!どうした!?おわっ!?お前…なんて顔してんだ…〛

「きゃあああ!!!」

〚バカ、俺だ!〛

「え…あ、充さぁん…」

近づいて来た夏菜が後ずさる

〚おい、抱きしめられねぇだろ〛

「怖いです…」

〚…お前こそ…やりやがったな?おい、深山!!〛

夏菜までゾンビの特殊メイクしてやがる…

〈ふふ 逆サプラーイズ♪〉

〚ったく…何してんだよ

びっくりさせたかったのによー

でもあれだな、夏菜のメイクもう少ししっかりした方がいいな〛

〈そうね!すみませーん!メイク直しお願い出来ますかー?〉

深山が本部に頼んだ特殊メイクをしてくれる業者を呼んで話してるあいだに

俺たちは、夏菜の感想を聞きながら手直しをした


「特殊メイクをしてるってわかってて入っても

怖かったです」

〚なら、お客さんはもっと怖がってくれんだろ

子どもでもいけるか?〛

「四谷さんが可愛いですけど…篠塚さんからは少し本格的だし、深山さんと充さんはもっと怖いです」

〚子どもにはきついか…〛

〈大丈夫よー今回はちょっとやり過ぎただけで、

本番はもう少し軽めにするから〉

「よかったです!」

〚そうか、うまくいきそうだな

夏菜は篠塚の前の場所にスペース作っておいたからそこで驚かせるんだぞ〛

「はいっ!わかりました!」


リハーサルはうまくいって、メイクを落として

カーテンやシーツの補強なんかもやっておいた


なんせ2日間あるしな

なにごともなく進んでくれればいいが


ーーそんなこんなで、祭り当日


こんなに人来るのか…ってくらいたくさんのお客さんが来ていた

さすがに、お化け屋敷は人を選ぶようで

公園の人数よりかは落ち着いていたが

特殊メイクも好評で、

泣きながら出てきた大人も多かった

篠塚セレクションの音がまた不気味で

俺達もちょっとやばかったぞ…


恋人同士で入って絆が強くなって出てきたカップルも多かったらしい

SNSが、ちょっとした騒ぎになったようだった


まぁ、

こうして地域のみなさんが楽しんでくれたようで

良かったな



…夏菜と一緒に祭りを最後まで楽しめて本当に良かった


本部のメンバーも、特殊メイクの業者も

同じ目標に向かっているからか

みんな一生懸命で

"社長の息子"だから、

なんて態度のやつは一人もいなかった


俺が、自分の殻にこもりすぎていたのかもしれない


うちのメンバーもそうだけど

夏菜や丸山サンのおかげで…

人との関わり方を見直すことができた


そうだよな…将来は俺がこの会社を引っ張っていかなきゃならないんだ


そんな責任ある立場も、放り出すところだった


親父がこうして、地域の人たちとの繋がりを作っていきたかった気持ちが、

少しはわかったかもしれない


「充さん!」

〚おう、メイク落としてきたのか〛

「はい!2日間お疲れ様でした」

〚お疲れ〛

「飲み物持ってきましたから、どうぞ」

〚ありがとな なぁ、夏菜〛

「はい?」

〚楽しかったな この1ヶ月〛

「はいっ!本当に…」

〚この歳になっても成長できんのな 知らなかったぜ〛

「充さん…」

〚お前にも教えられたし 助かったぞ〛

「…充さんの周りには、あなたを助けたい、力になりたいと思ってる人がたくさんいますから」

〚…あぁ 大事にしねぇとな〛

「はい!」

俺にとっては

こうしてとなりで笑ってるお前が、1番大事だけどな


〈お疲れーそろそろ結果発表?〉

〚おーお疲れさん あーそろそろかもな〛

《いいとこいきましたかね?》

〚ま、楽しみにしようぜ〛

「はい!」/[はーい]


{あーっあーっ、コホン

四葉工務店、社長の双葉です

本日は、我々の催した祭りに来てくださりありがとうございます!

こんなにたくさんの人が来てくれるとは思ってもみなかったので、我ら社員一同喜んでおります!

これからも地域貢献の一端を担えるよう、頑張ってまいります!

さて!我々は各部署対抗で売上を競っておりました

集計が終わりましたので、しばしお付き合いください


さぁ、社員諸君!1位から発表するよ

1位は…………建築部!}

『よっしゃー!!!!』

{2位は………設計部!}

『あーーー!惜しいっ!』

{3位は………リフォーム部!}

『あーっ!でも頑張ったな!』

{ありがとうございました!

これも皆様方がいらしてくれたお陰様であります


最後に、我々から地域の皆様に、

サプライズを用意してございます

こちらも、お楽しみください…

用意はいいかな?うん、では参ります


3    2    1    GO!}


"ヒューーーッ、ドーーーン…"

"パチパチ…"


「わぁーっ…!」

〚あんの親父…やることがいちいち派手すぎんだよ…〛

「充さん!すごいです!」

〚本当だな〛

夏菜の腰を抱いて引き寄せる

「ひゃっ!充さん!?」

〚…好きだ 結婚してくれ〛

「え、え、え…っ!?」

〚今すぐじゃねぇよ バカ〛

「痛っ もぉ…」

惚けてるからデコピンしてやった

〚でも、結婚前提として進めるからな〛

「…わたしで、いいんですか?」

〚夏菜だから、いいんだ〛

「…充さんっ!」

抱きついてきてんのはいいけど

周りの女たちがうるせぇ

深山たちが追っ払ってる 悪ぃことしたな…



ま、そのうちこの会社を引っ張っていかなきゃいけなくなる時が来るし

お前のことだって、引っ張ってってやる


俺が責任持って、すべてうまくいかせてやるからな


[あれぇ?深山さんと篠塚さんいなくなっちゃいましたー]

〚あ?あいつら…まぁ、どっかにいるだろ

俺たちは抜けるぞ〛

[はーい!じゃあ…友達のところに行ってきていいですかぁ?]

〚おう、解散!〛

[はーい 桜井さん、また!]

「四谷さん、またね!

充さん、どこかに行くんですか?」

〚ん?いいとこ〛

「え!?」


もういいだろ

早く二人きりにさせてくれよ


"隠れる"のは得意だからなーー


【深山point of view】


《良かったんですか?抜けてきちゃって》

〈片付けは明日からなんだし?いいでしょ〉

《それより…サプライズ好きは親譲りなんですね》

〈社長もやるわよねぇ おかげで綺麗な花火が見られた 君の部屋からも見えるのね 綺麗だわ〉

《…雪乃さんが1番綺麗です》

〈…〉

《なんですか?》

〈大樹、今日も泊まっていっていい?〉

《!…いいんすか?》

〈こんなに綺麗な花火があがってるんだもの

離れたくないの〉

《…サプライズに感謝っすね》

〈ん、大樹…〉

《雪乃…はぁ…愛してます…っ》

〈…私も…〉


ーーーーー


身体がもたないかも

猛獣なんだから…


ふぅー…

ベランダに出る


真夜中の空は

さっきまでのカラフルな花火も消えて


星が綺麗で…吸い込まれそう


結局、花火は少ししか見られなかったけど…ふふ


《雪乃さん…どこかに行ったかと思った》

〈ごめん、起こした?〉

《どうしたんです?》

〈んー?外を眺めてただけよ?〉

《…ベッドに戻りましょう》

〈…うん あっ、ねぇもう一回呼んで〉

《え?雪乃さん どうしたんですか?》

〈違う 呼び捨てにして〉

《…雪乃》

〈うん、そっちのほうがいい〉

《うん》


【篠塚point of view】


昔から、

ずっと好きだった


充さんや辻村さんの他にもいろんな人と噂になってたけど


誰とも付き合ってないのは知ってた

ずっと見てたから


やっと…手が届いたと思ってたけど


彼女は…すぐにどこかに行ってしまいそうで


今も、目を覚ましたらとなりにいなくて

俺が寝てる間に、外に出てしまったのか、

帰っちゃったのか?と思って

びびった…


ベランダに立つ彼女は

消えてしまいそうなくらい儚く見えて


いつまでそばにいてくれるんだろう…




ん…朝、か

《雪乃…》

あ、いた となりで眠っている

頭を撫でる…

〈ん…〉

《愛してます…》

〈…〉


どこにも行かないで


眠ってる間に、キスマークをつけた

起きたら怒られるかもしれないけど

不安だった気持ちを

少しでも解消したかったから


…


…あれ…いつの間にか、寝てた?


え?雪乃さん、いない…?

《どこ?雪乃…?》


家の中には見当たらない

ベランダにもいない


《雪乃!雪乃!?》

あ、靴…がない…


スマホ…出ない

なんで…?


急いで着替えて、雪乃を探す


とりあえずコンビニに見に来た

雪乃さんの家は、まだ知らないから


あ…いた…

《雪乃…何してるの 電話にも出ないし》

〈え?電話くれてた?ごめんね

お腹空いちゃったから、ご飯買いに来たの!

見て!このお菓子まだあったよ!

大樹がおいしいって言ってたやつ!〉

《…》

〈大樹?〉

《…勝手にいなくならないでください

カゴ貸して 買ってきますから》

〈あ…ありがと〉


手を繋いでレジに向かう

お金を払って荷物を持った

左手は、彼女の手を繋いだまま


〈ごめんね?大樹〉

《…許しません》

〈えー許して?〉

《…部屋に戻ったら俺のだって印もっとつけます》

〈…もっと?〉

《あ》

〈どこにつけたの?ねぇ?〉

あ、この顔…新しいおもちゃを見つけた時のような…

好きなんだ…この笑顔が


《…帰りますよ》

〈ふふ はーい!〉



タイトル〘どこにいても見つけてみせるから〙


 

                    Fin...


こちらの記事はnote様で同一名義にて投稿しております。

再編集して投稿しております。

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