第三十一話 ゲームスタート……?
俺様キャラの名前を、勝手ながらオリヴァーと変更させていただきました!
急に申し訳ありません!
そして今回から、メインであるゲーム期間スタートです!
よろしくお願いします!
ファンタジー『風』と謡った乙女ゲーム、『ブラックorホワイト(略してブラック)』の中には、そのゲームオリジナルの食材や花があったり、またその逆もしかりで現実にある物も登場したりしている。
その物の中に、日本の象徴とも言えるであろう花、桜もある。
今はあちらこちらで桜が満開を迎え、桜並木では色付いた花びらがヒラヒラと舞って、幻想的だ。
そして今日、そんな桜達に見送られ、私もついに魔法学校入学です!
「まあでも、五日前から入寮してるからいざ!という気持ちでもないんだけどね。いやぁ、それにしてもソラも入寮していいって許可もらえてよかった!まあ混乱を避ける為に他の生徒と教師には内緒って言われたけどね。」
「当たり前でしょ。しつこいようだけど竜はまだ希少なんだからね?」
「分かってるって。だから念のため猫の姿になってもらってるよ。ソラって変幻自在らしいから。しかし、祖父様のツテとかで学園長に直接交渉出来るとはビックリしたよ。」
「そりゃブレントン様はただでさえ優遇される竜騎士で、そのトップである団長を勤めていらっしゃるからね。交流があって不思議はないよ。」
「え、祖父様団長だったの!?」
「むしろ何で今まで知らなかったの?」
今は寮から徒歩五分程の校舎に入学式を受ける為向かっています。ウィルと一緒に。
まあ入学式と言っても、前みたいに親が後ろにずらっといるような物ではない。貴族が集まる学校でそんな事したら、ちょっとしたいざこざが起きかねないし。
魔法学校の入学式は、代表が何人か挨拶して、その後国が保管してた封印用の魔石と生徒手帳を各自に配って終了。
魔石は魔法を使う授業で少しずつ封印を解いていって、最終的には魔石が必要にならなくなるまで訓練するらしい。
今まででもウィルは充分チートだったのに、さらに魔力まで強くなったら一体どうなってしまうのか怖くもあるけど、そういうシステムだ。
………そして、今日この日から、ゲームは始まる!
ヒロインにとってはドキドキの恋愛期間、私にとってはドキドキのデスマッチ!
もしフラグの回避に失敗したら、私の運命は学園追放、もしくは修道院に強制送還、もしくはアクロイド家から追放、もしくはアクロイド家伯爵位剥奪、もしくは、自殺!!
バリエーション豊富だがどのエンドにしても将来が絶望的なのは変わりない!
私の未来の為にも、フラグ回避頑張ろう!!
まず注目すべきは、今日も幾つかある出会いイベント。
選択肢の中で一番好感度が上がる物を選んだキャラを注目すればいい。
一人ならそのキャラで的を絞りそうだし、複数人なら逆ハーにいく可能性もある。
今後の行動を考えるためにも、こっそり覗かせてもらおう!!
………と、思ったんだけど。
「…………あれ、ルリ何処に行った?」
見失った。
え、確か無駄に広いこの学園で迷ったヒロインが、この無駄に豪華な裏庭に迷いこんできて、なんだかんだ案内してくれ、(あれ、本当は先輩、優しいのかな……?)と感じる俺様キャラ、オリヴァーとの出会いがあるはずなんだけれど。
あっるぇぇぇ?ヒロインどころか人っ子一人いないよ?
あー、しかもそろそろ入学式の会場である講堂に戻らないといけない……実はもう出会いイベント終わってて、私は完全に無駄足を踏んでいたのでは……?
そうだとしたらフラグ回避のための情報集めはスタートで思いっきり転んだ事になる……
「お前、見たところ新入生か。そこで何をしているんだ?」
ふぉあい!?
「え、あ、フォールス様!?」
「ん?お前はアクロイド家の……」
何と、何様俺様オリヴァー様が表れた!!
え、ということはイベント始まってないの?
ヒロインと一緒に講堂に行ったって描写あったよね?
……というか、ここで見つかるなんてついてないなぁ。
どうせこいつの事だ。「何故お前なんかがここにいる?」くらい言うでしょ。
ったく、これだから女の子の扱いがなってない奴は嫌なんだ。男なら女の子には優しくすべきなのに。
まあ会っちゃったのは仕方ない。厭味は適当に促してさっさとおいとまさせてもらおう……
「……あー、以前は随分と失礼な態度をとってしまった。すまない。」
う?
え?
「何分身分だけは高いから、それにあやかろうとする女性ばかり近づいてきていて辟易していて、つい八つ当たりをしてしまい……いや、言い訳だな。とにかく、悪かったと思っている。すまなかった。」
「……あ、いや、え?」
……こ、更生した、だと……!?
え、何この人だれ?前まではただのガキだったのに、今やすっかり紳士じゃないか!
「え、ええっと、そんなに気になさらないで下さい。私もついカッとなってしまいましたし。」
「そう言ってもらえると助かる。」
不器用そうながらにも、柔らかく微笑んだオリヴァー。何があったの?
「えっと、随分、雰囲気変わられましたね?何かおありになったのですか?」
「まあ、あったというか、思い出したというか。前に、女の子に優しく出来ない奴は男じゃないと言われた事があって、このままではいけないと思ったんだ。言っていた人に、嫌われたくなくてね。」
あ、私の思ってる事と一緒だ。
「その方の事、大事に思ってらっしゃるのですね。」
「……ああ。今のところ、何よりも大事だと思う。」
オリヴァーは、ふっと口元を緩ませた。
……一瞬、前世の兄を思い出した。
口調は乱暴で他人には無愛想だけど、私を一番甘やかしていた上から二番目の兄。
こんな風に、笑ってたような気がする。
……こういう、ふとした拍子に思い出してしまうから、困る。
多分、前世でやったゲームの知識を元にこれから頑張らなきゃいけないから、前世を断ち切れてないんだと思う。
もう会えないんだから、いい加減腹をくくれてもいいのになぁ。
「?どうかしたか?」
「……あ、いえ!何でもありません!」
いけない。今は感傷に浸っているわけにはいけない。
「まあ、今は保留だが、一応婚約者という立場だ。とりあえず先輩後輩として、これから仲良くさせてもらえると嬉しい。」
「はい。こちらこそ!」
今までのガキだったオリヴァーはともかく、今の紳士なオリヴァーならウェルカムだ。
……あ、そうだ。今ならイベントの事聞けるじゃん!
「ところでフォールス様、ルリ様という私と同じ新入生の女性をこちらで見かけませんでしたか?」
「ん?確か親に貴族はいないが魔力が桁違いとかいう、噂になっている新入生か?」
「はい、そうです。」
「いや、見かけてないが……。」
「そう、ですか……」
あれ、イベント事態が行われてない?
そんな馬鹿な。ゲームだったら無条件で絶対に起こるイベントだよ?
そのイベントが、回収されてない。
……え?どうなってんの?




