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第二十八話

魔法学校の長期休みは、夏と冬、春の三回だ。こんなところに日本のゲームらしい要素がある。

ちなみに、在校生の冬休みと入学試験の期間はかぶっているので、ウィルが帰ってきている間に、私の受験もあるのだ。


「じゃあ、レイラ、いってらっしゃい。変に緊張しないようにね。」


ちなみに、明後日である。受験。


中央魔法学校は家から少し距離がある。勿論、私のところよりも遠いところもある。だから、受験日一週間前から、学生が不在の寮を宿泊施設として学校が貸し出すのだ。

まあ距離があると言っても馬車で半日、馬で数時間程度だから明日出発でも大丈夫なんだけど、念のため、早めに出る。今日が出発日だ。


家族と使用人、そして家庭教師までもがお見送りのため門の前に集っている。


皆が皆それぞれ、激励やら何やらをかけてくれている。


「レイラ様なら大丈夫ですよ!教師として保障します!」

「ま、いつも通りが一番じゃな。」

「お嬢!頑張って下せえ!」

「ほら、ウィル!先輩として、何か言ってやんな!」


「……あーっと、レイラ。」

「ん?何?」


ウィルにしては少し珍しく、歯切れが悪い。


「まあ、頑張れ、とか、気をつけて、とか、言いたい事は沢山あるんだけど、一ついい?」


何だ何だ?本当に何だ?


「えっと、どうぞ。」




「何で、ソラで行くの?」



「……え、何かおかしい事あった?」

「貴族の令嬢は普通馬車使うし、実際殆どが馬車で来てたよ、去年の受験者。恐らく今年も。百歩譲って馬ならまだしも、竜?あのさ、人を乗せる竜ってまだ希少なんだよ分かってる?」


どうやらウィルは、ソラで行く事を良しとしていないようだ。

だって竜で行ったらかなり早く着くし、祖父様のツテで駐車場もとい駐竜場は貸してもらえるから問題ないと思うんだけどねー。


……まあ、何故そこまでウィルが竜に乗るのを渋るのかは、大体見当付いてるけどね。

ウィル、どうやら爬虫類系が苦手らしい。

蛇とか蛙とか見かけた時、あいつ微妙に警戒しているんだよ。試しに蛇に似た紐をウィルに投げつけてみたらすごい殺気向けられた。二度やらないと誓った。

竜って、トカゲをでっかくしたような見た目だもんね。爬虫類嫌いの人にとってはちょっと厳しいかな。


「今さら何行ってんだよ、ウィル。お嬢様が竜に乗るのなんて日常茶飯事じゃないか。」

「そうだそうだ。それにもうレイラ様を止められるのは誰もいねぇもんな。」

「……分かってますよ、あのじゃじゃ馬は走り出したら止まらない事くらい。」


おい、私の評価どうなってんだ。仮にも主人の娘だよ?まあ自分でも事実だとは思うが。


「ほら皆、レイラが出発出来ないわ。じゃあ、気をつけてね。」

「はい、母様。では、行ってきまーす!」

『行ってらっしゃい!』



ウィルの黒い翼が上下して、少しの浮遊感の後は、もう空の上。

ソラの乗り心地は最高だと思う。揺れが殆どない。乗り物酔いになる心配も皆無だ。


「じゃあいつもの所までね、ソラ。試験が終わる頃にいてくれればいいから、後は自由にしてていいよ。」

「オッケー」


どうやら、契約した者どうしだと飛んでいようがなんだろうが会話が出来るらしい。便利だな。


「あ、それと、今日は安全運転でお願い。」

「えー!?つまんなーい。」


ソラには悪いが、仕方ない。ウィルにこれだけはって約束させられたのだ。

破ったらお仕置きだよ?とニッコリ言われたので頷くしか選択肢がない。いいえと選択した場合、RPGの如くはいと言うまで会話が繰り返される事になる。数を重ねる事に笑顔が怖くなるオプション付きで。


まあ思い出してちょっと背筋が寒くなったがともかく、受験、頑張ろう。



◇◆◇ 



正直、贅沢しすぎだと思う。


寮の部屋、二人部屋だけど、私の部屋くらいあるんだが。

これで狭いって言う人居るの!?何、普段体育館並の広さの部屋に住んでるのその人!?

寮を外から見た時、なんだこの大豪邸?って思ったの私だけじゃないはず。

絶対ホ○ワーツより広い。

というか、広すぎて落ち着かない。


「レイラ、ソワソワしないでよ。私まで落ち着かないじゃない。」

「だ、だって……。」


そして、現在女子寮談話室。カミラと一緒にお茶してます。

他の受験者達は、どうやら与えられた部屋で勉強してるらしい。利用者はあんまりいない。

カミラ曰く、こういうのは寝る前に要点だけパラパラと見るくらいが調度いいんだとか。私は不安だからもう少し勉強するけど。オールストン家姉弟はどちらも秀才だ。うらやましい。


「ま、貴女の脳筋に負けるようじゃ、オールストンの名が廃るわ。」

「私脳筋!?」

「え、自覚なかった?」

「いや、別に脳筋じゃないよ!それなりに腹芸できるし、頭悪い訳じゃないし!」

「でも得意ではないでしょ?腹芸。頭は悪くないけど、良くもないわね。」


クリティカルヒット!!レイラは心に三千のダメージを受けた!


「な、何で私の周りにはこう、ズバズバ言う人が多いの?」

「まあ、同時に甘やかす人も沢山居るんだから調度いいじゃない。」


しれっと言うカミラ。

本当に、敵わないなぁ、この親友には。


「あら、私も、貴女には敵わないって常々思ってるわよ?」

「え!?どの辺が!?」

「脳筋な所とか。」

「!?」


どうやら私に対する周りの評価は、脳筋、じゃじゃ馬等、らしい。解せぬ





ああ、文才が欲しいです。切実に。

他の作家さん見てみるのですが、あまりの差に愕然とします。

拙い文ですが、どうぞ生暖かく見守っていただけると……。

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