第二十五話
騎士とは、主に仕え、主を守り、戦となれば馬に乗って先陣を行く、この世界の男の子の憧れ職業上位に入るような仕事だ。英語で言えばナイト。
最近は、主を決めていない騎士も多く、ただの戦闘職のようになっている。
ちなみに、祖父様の職業である竜騎士は馬を竜にしただけ。後は根本的に変わらない。
専属の騎士になってくれというのはつまり、自分だけの騎士になってくれと言う事だ。
生涯を剣と主に捧げ、それを違える事は許されない、それが専属となった騎士。
「……あの、考える時間を頂けませんか?さすがに、そう簡単に将来の主を決める事は出来ませんので……。」
「うむ。良かろう。」
……私が、騎士、とな?専属の?
…無理でしょ。私人に仕えた事一度もないんだぜ?
よし、これは良く考えた上で断ろう。
「……フィリアはかなり諦めの悪い性格をしている。断るなら、相当の覚悟を持ってした方が良い。」
何不吉な事言ってるんですか王よ。
◇◆◇
「レイラー。」
「どうしたの、ソラ?」
無事城から帰還し、念願だった護衛兵の皆さんとの戦闘も終わり、ただ今気分は最高潮。
特に強い数人には勝てなかったけど、楽しかった!護衛兵の皆さんの顔は恐怖の一色だってけど。
帰る時に王妃様が言った、「色良い返事を期待しているぞ。」がかなり気になるところではあるけど、それはそれこれはこれ。私は切り替えが出来る人間だ。
……こんなんだからウィルとかセシルとかカミラとかに能天気だって言われるような気がしなくもないけど。
「ここ最近レイラごたごたしてたから確認するの忘れてたけど……」
「え、何?」
「ウィルの模擬試験、明後日じゃなかったっけ?」
◇◆◇
「ウィル!!試験もう間もなくじゃん!!私に付き合ってて大丈夫だったの!?」
「馬鹿にしないでよ。レイラと違って毎日の復習は怠ってないんだから。」
私の心配はぶった切られた。
な、なんて優等生なんだこの子……!
そういや、前は一緒に指導してもらってた家庭教師も、今は私だけになったなぁ。
ウィルは一を教えたら十を悟り、気になった事は自分で徹底的に調べ、先生にはばんばん質問し、納得いかなかったら口論し、ついには先生を論破するのも一度や二度じゃなくなった。
その先生はある日、「もうウィルさんは私なんかのゴミクズの話を聞くよりも独学した方が早いですようわぁぁぁん!!」と言ってウィルに教えるのを拒否った。何があったのか果てしなく気になる。
「まあでも、明日は試験範囲を重点的に勉強しようかな。最近は経営関係の勉強ばかりやってたし。」
こんな余裕発言をシラフで言うのが、彼だ。
恐らく受験直前でこの台詞を言われたら軽く殺意がわく。いや、確実にだな。
「勉強したいなら、執事の仕事は休む?有給休暇たまってるから構わないと思うけど。」
「いや、大丈夫。そんなに余裕がない訳じゃないから。仕事の合間でも十分。」
……少ーしイラッとくるこのような台詞も慣れた。
これを悪意あって言うなら話は別だけど、素で言っちゃうもんなぁ。
ある意味毒舌キャラであるセシルよりもタチが悪い。
「んじゃ、頑張れ。」
「うん。」
ま、ウィルの事だし心配しなくてもよかったな。なんてったってウィルだし。あのウィルだし。
◇◆◇
さて、ウィルの事は心配ないとして、問題は王妃様の事だよねぇ、やっぱ。
騎士になるのがどうしても嫌って訳じゃないけど、将来の事だし出来る限り自分がしたい事をやりたいもんな。
うーん、何故かしっくりこないんだよね、騎士として王妃様の傍にいる自分って。
……よし、断ろう。王妃様には悪いけど。
そうと決まれば手紙だ。
こう、当たり障りのないように、丁寧かつ遠回しな言い方になるように気をつけて書く。
家の家門が入った便箋と封筒だから、安全確認はされるけどキチンと届くはず。
さて、今日はもう遅いし、明日父様に封蝋の道具を貸してもらおう。
◇◆◇
王様が立てたフラグが回収された事を知ったのは、半月後、断りの手紙を三通も渡した後だった。
王妃様から来た返答の手紙を簡単に説明すると、どれも
『いや、人間どう考えが変わるか分からんし、もうちょい考えてみて。』
だった。
王妃様諦めが悪いって本当だったんだな。
あ、ちなみにウィルの試験は歴代最高点を叩きだしてたよ。相変わらずチートな奴だった。
ようやく、学校入学前にさせたい事全部書けました!
元々、こんなに長く書くつもりはなかったんですが…。
簡単にどんな事が書きたいかだけを考えて、それ以外は行き当たりばったりで書いて大丈夫かという事を確認したい事もあり、こんなに長くなりました。
結論。絶対無理ですね私馬鹿でした!!
そもそも初心者なのにそんな芸当出来る訳ねぇだろ、という話ですね!
この教訓を生かし、学校在学中、つまりメインはもっとマシになるよう頑張ります!




