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第十九話

捕らえられていた人達は父様達により解放され、元いた場所に責任持って帰されることになった。

ルクは獣人等の亜人が多く住む国からさらわれてきたそうで、父様が連絡をとるそうだ。

仕事は父様の部下達に任せてきてしまったそうで、ソラが伝書鳩よろしく手紙を持って報告に行った。

ようやく人心地ついたころ、私は


大変な事に、気がついてしまった。


「あ、あのっ。助けて下さって、ありがとうございます!」

「……別に、気にしないで下さい。」

 

ヒロインと攻略対象が、

出会ってしまったぁぁぁぁ!


これは、ウィルルートの出会いイベント…!

ヒロインが柄の悪い男達に囲まれていた所を通りすがったウィルが魔法で男達を蹴散らす。

主人(私だけどな)からはお礼なんてほとんど言われていないウィルは、満面の笑みで感謝されたことにより、ヒロインに興味を持つ。

やがて、ウィルが主人(私だけどな!)からの不当な扱いを受けている事を知ったヒロインは、「ウィルにも自由にする権利があるはず!」とウィルの主人(私だけどな!!)に食ってかかる。

そんなヒロインを見ていくうちに、やがて恋心を持つ……といった感じだった。


本人達が幼いし、ギャラリーが多過ぎるが、これは出会いイベント!


………ど、

どどどどどどどどどどどうしよう!?

今までフラグ回避のために行動をしてきた(結果はどうであれ)のに、これじゃあ全部水の泡だよ!

というか私ウィルに自殺へ追い込まれるの!?嫌だよ!

というか不可能じゃないのが怖い!ウィルは私の好物から弱点まで知り尽くしているんだよ!うん!確実に追い込んでくるね!!私はウィルを信じきれる!


あぁあばばばばばばばばば


そ、阻止しなければ!私だって命は惜しいー!


「ルリ。もし君さえ受け入れてくれれば、私は君に永遠の愛を誓うよ。駄目、かな?やはりウィルがいいの?」


「え、ええ!?レイラ!?」

「な、お前!」


……ん、ん!?うわぁぁぁ!?何言ってるの私!?


「………レイラ?」


ひゃい!?

ウ、ウィル……?

あの、オーラがどす黒い、あと、般若が、見え……


「何を、言って、いるのかな………?」

「すみませんごめんなさい申し訳ありませんでしたー!!」


すぐさま土下座する。

ん?プライド?そんなものウィルと過ごすうちに擦り減って踏みにじられてもはやゴミ同然ですが何か?


「全く……何時になったら女性を口説き落とすその癖直るの?貴族の令嬢として、早く直して欲しいんだけど?」

「うぅ……出来ればそうしたいけどさぁ……。」


実はこの二年間度々この悪癖が出てきていた。

どうやら、話す内容が分からなくて混乱したり、感情が高ぶると出てきやすいらしい。

知り合いとか友達とかならそうはならないんだけど、初めて会った女性とかあんまり慣れてない女性とかだとなるという事もわかった。


だが、分かっていてもどうすることも出来ない場合がある!今がそれだ!


「え、癖って……?」

「そうなんです。我が主人は慣れない女性に対し、口説き落としてしまうという大変珍しい癖を持っておりまして、大変なご迷惑をおかけしたことをお詫び申し上げます。」

「ごめんよ。」

「それ癖って呼ぶのか……?」


はい。一応癖なんです。これでも。


……って、ああ!?結局ウィルとルリの関係を阻止出来なかった!?


お、落ち着け、レイラ。まだ策はあるはず!

確か、あまり主人からお礼を言われていないウィルだからヒロインであるルリに興味を持つわけで、つまり今はあのクソ令嬢が主人ではないのだから恐れる事はない!!………よ、な?

あれ、待てよ。私って日頃ウィルに感謝の気持ちを伝えてたか?伝えてたよね!……あれ?

んんんん?伝えてた………か?


(蘇る日々の記憶)

…………………。

伝えてない気がする。


うぅぅぅわぁぁぁぁぁぁ!

駄目じゃん私!

死亡フラグ云々以前にありがとうも言えないなんて人間として終わってるよ!!


「ウィル!ごめんなさいぃぃぃぃ!」

「はぁ!?」

「いつも頑張ってくれてありがとね!でも私は全く感謝してる様な態度してなかったから申し訳ない!ごめんね駄目な主人で!!」

「ち、ちょ、レイラ?どうしたの急に!?」

「うわぁぁぁというか助けてくれてありがとぉぉぉ。」


申し訳なさと情けなさと今更出てきた安堵で目から涙が溢れてくる。

何の脈略もなく泣き出した私にウィルもタジタジのようだ。


「ど、どうしたのさ、さっきまで普段通りだったのに……。」

「うぅぅぅぅぅ。」

「………よしよし、大丈夫だから。別に僕は気にしてないし、たまに言ってくれればそれでいいから。」

「ぅぅ、ごめ……。」


ウィルが撫でてくれる。

ああ、ウィルに撫でられると安心するなぁ……たまにしかしてくれないけど。


「何が起こってるの……?レイラ大丈夫かなぁ……」

「あいつどうしたんだ急に?」


「ごるぁぁあクソガキィィィィ!なにレイラ泣かせとんじゃワレェェェ!」


と、父様!?

顔が!顔が凄いことになってるよ!?魔王も裸足で逃げるレベルになってる!!

怖!?


「父様、顔こわいです……。」

「!?(ガーン)」

「レ、レイラ、世の中には言っていいことと悪いことがあるんだよ?今がいい例。」


あ、父様が瀕死だ。ごめんなさい。

まあお陰で涙引っ込んだけど。


「………レイラの厄介な所って、癖だけじゃなかったな。急に泣き出すって、不意打ちすぎる。あーもう調子狂う。というかレイラの頭の中ってどうなってんの?全く読めない………。」


ウィル何ブツブツ言ってるんだろ?


「あ、あの、レイラ!」


ん、ルリ?


「いつから、気がついていたの?私に高い魔力があるって……。」

「え?」

「さっき、平民でも魔力が高い人が近くにいるって……。」


ん?………ああ、言ったね!そういえば。


「実はね、君のことを友人から聞いていたんだよ。」

「友人?」

「セシルって、聞き覚えない?」

「……ああ!!じ、じゃあ、セシルが言ってた人って……。」


あ、もうルリに言ってたんだ、セシル。


「じゃあ話しは早いね。改めまして、アクロイド家現当主長女、レイラです。」


んー、出来れば秘密にしたいかな、とは思ってたけど、執事服着てるウィルが私のこと主人って言った時点で察してただろうししょうがないね。


「……やっぱり、そうなんだ。」

「うん。あえて黙ってた事は謝る。」


仕方ないかぁ。さすがに貴族と仲良くするのはマズイだろうね。平民からの貴族のイメージって良くないだろうし、ルリの両親がいい顔しないだろう。

私悪役だからなぁ、いくらヒロインと言えどもさすがに仲良くしようなんて……。


「あのね!私、平民だけど、レイラが良かったら、その、お、お友達になってくれないかな!」


……………してくれたぁぁぁぁぁ!!


「是非!是非そうさせて!むしろお願いします!ありがとうね!ルリ!」


ぎゅううう!


「わぁ!あははっ、レイラってば、もぅ。ふふっ、よろしくね!」

「うん!うん!よろしく!」


うわ、嬉しい!これで女の子の友達二人だよ!

え、よく聞こえなかった。少ない?ははっ。私にとっては多いよ!!


「(全部持って行かれた…。あの女、侮れないな……。)」

「(レイラの一番は私が貰うもん!ウィルさんっていう人なんかに渡さないんだから!)」


なんて視線で会話されていたなんて、舞い上がっていた私は全く気がついていなかった。






更新遅くなりましたごめんなさい!

例によって例のごとく、今回もグダグダですね。反省します。

そして七歳は終了し、次回の本編からいくらか時間を進めます。

そこで番外編を入れようと思いますので、意見等ありましたら送って下さい!

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