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「やあ、不惑。待ってたよ」
翌日の朝九時の学校の屋上にメンバーが集まっていた。いるのは俺、要、雪ちゃん、それから依頼主の風花と疾風だ。
「疾風、例の巻物持ってきてくれた?」
「…ああ。これが、天狗の里の―我らの一族に伝わる巻物だ」
差し出された日焼けした巻物を丁寧に受け取り、紐を解いて中を確認する。
「これは…なかなかに酷いね」
顔を顰めながら巻物を広げてこちら側に見せられると、その中身は真っ白だった。本当に何か書いてあったのかと言う事に疑問を抱いてしまう。
「凌、急いだ方がいいよ」
「分かってるよ、雪。クライム、来て」
虚空に呼び掛けると、ゆっくりとその姿を現した。
「要、ボクの力である程度発生は防いだけど、数は多数。制限時間は…大体
半日が最大かな。それ以上はボクがもたないかも」
「充分。じゃ、準備よろしく」
簡潔に答え、俺たちの方へと向き直る。
「じゃ、任務の内容ね。この後、このメンバーで伝承の中へと飛び込む。そこにいる齟齬因子のリカッサを全滅させる。多数って情報から予想される数は少なく見積もって…三十」
「…洒落にならない数だな」
肩を竦めると、苦笑で返された。
「基本は団体行動。リカッサは完全に消えるまで警戒は絶対に解かないこ
と」
その他にも注意事項をいくつか聞かされた後、クライムの準備が終わったようだ。
「開くは断罪の扉。我が名はクライム。罪の名の元に時空を超えん」
例の言葉の直後、俺たちの意識はまどろみの中にかき消された。
ただ、その直前。
「!一般人…?」
そんな要の声がどこかで聞こえたような気がした。あくまで、気がしただけだったのだが。




