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「ヤッホー。待った?」

「盛大に待ったっての」


 漆羽と別れた五分後、のうのうと現れた。しかも五十嵐さんと一緒だし。リア充め…。


「ごめんなさい、今日の打ち合わせをついさっきまでやってたから」

「うん。じゃ、行くよ、不惑」

「どこにだよ」


イラついた口調で聞くと、さも当然の様に言った


「本屋だよ」



「で、本屋に来たけど、一体何するんだ?」

「あ、そう言えば今日新刊の発売日だっけ。買わなきゃ~」


 能天気に自分の目当ての所に行く要。横見たら五十嵐さんまで溜息吐いてるし…。


「こっち」


 あ、要のこと放置で行っちゃったよ。仕方ない。良く分からないしこっちに着いてくか。




「ここの本。ひたすら読み漁って」

「はい、アバウトな指示来ました。ここ全部文庫本だぞ」

「それがどうかしたの」


 至極当然の様に言われた。着いて行ったところは店の文庫のコーナー。店の隅なこともあってか、微妙に客足が少ない。着いた矢先にこの言葉だ。聞き返さない方が不思議だ。


「大体、読み漁れって、どういう事なんだ?」

「…この中に、一冊だけクライムの完全管理下に置かれた本がある」

「…へ?」


 呆然とする俺を尻目に説明を続ける。


「今のあなたなら気が付くはず。だからそれを探すの。見つけ次第、次のことするから」


 そう言ってさっさとどこかに行ってしまった。やれやれ、面倒なことこの上ない。


「…乗りかかった船か」


 厄介なものに乗船したものだとこっそり溜息を吐き、本を抜き取った。


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