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翌日、俺は要に指定された場所にいた。因みに今日は土曜日。心配することは一応無いが、誰かに出くわすのとかは嫌いだ。まあ遭ったとしても声を掛けられることなんて別に無いだろう。
「あれ、不惑?」
―いたよ。
「漆羽?こんなとこで何やってんだ?」
「何やってるって別に…昼のショッピングモールなら、別にいてもおかしくないんじゃないの?」
正論に思わず黙ってしまう。確かに指定されたのは昼間の駅にあるショッピングモールだったのだ。何故ここを指定したのかを要に問いただしたい。
「あたしはちょっと本を探しに来たんだけど、不惑は?」
「俺は人待ちだ。指定は三十分前なんだけどな」
一向に現れない待ち合わせの相手と言うのもいかがなものなのだろうか。このままだと帰って寝てしまいそうだ。
「誰待ってるの?」
「要だよ。あの野郎…どんだけ人を待たせる気なんだか」
溜息を吐いて言うと、漆羽は思いっきり笑いやがった。
「流石、ミスター貧乏くじ!」
「絶対に馬鹿にしてるだろ、それ」
「そんなこと無いって。あぁ、そうそう。ついでに一つだけ」
「あん?」
もしかしてと一抹の不安がよぎる。すると案の定わずかに目を細めて告げてきた。
「避けるんなら、左じゃなくて右の方がいいかもよ」
「占いか?」
その言葉に苦笑いして答える。
「ある意味ね。けど、見えた映像が良く分からないって言うか…。何て言えばいいんだろ…」
うーんと唸りながら指を口元に当て、少し考えた後にゆっくりと言った。
「…この世界じゃないかも」
ギクリと言いそうになるのを堪える。
「この世界じゃないって?」
「口じゃうまく説明できないよ。ただ、見えた風景がどこか別の場所に見えたんだもん」
「抽象的程怖い者は無いな」
肩を竦ませて誤魔化す。と言ってもばれてるかは知らないけど。
「ま、今回は気にしなくていいと思うよ。こんなのは流石に無いだろうし。あったとしてもゲームとかでしょ」
「そ、そうだよな!あーびっくりした…」
「…何焦ってんの?隠し事か何か?」
「いや、そんなことは無いぞ。…きっと」
「うーん…。ま、いいや。それじゃあね」
「おー」
軽く手を振って別れる。さて、俺の待ち合わせの相手はいつになったら来る事やら…。




