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「待たせてごめんなさい…」


 出されたお茶を飲んだりして五分ほど待つと、着替えた五十嵐さんが戻ってきた。その姿は、ユリを想像させるほど綺麗だった。腰まで落とされた銀髪。それに合わせるかのような青の瞳。服装は夏の気候に合わせたシャツにスカートという格好が何故か艶やかに見えた。


「ごめんね、雪。急に押しかけちゃって…」

「ううん。私はいつでも平気だから心配しないで」


 申し訳なさそうに謝る要に、全く気にした様子の無い五十嵐さん。…蚊帳の外過ぎて何か空しい。


「それで凌。この人は?」

「ボクの親友の遠藤不惑。一応この後の活動の参加者って感じかな」


 紹介に合わせて会釈しておく。


「ん?ところで、参加者って…」

「ああ。雪もやってるんだよ。むしろボクと同じ幹部の一人だし」

「…頼りなさそう」


 うわ。なんか露骨に軽蔑の視線で見られた。ま、別にどうでもいいけど。


「で、こんな話をするために来たんじゃないでしょ?」

「ま、そうなんだよね」


 やたらと豪華なソファーに体重を預け、要が面倒そうに口を開いた。


「次の、伝承だから覚悟してね」


 そう告げた瞬間、彼女の顔が強張った。否―怯えた表情になった。


「…凌」


 かろうじて絞り出したような声は、あまりにか細かった。その様子に要が立ち上がり、そっと抱き締めた。


「大丈夫だよ。ボクは死なない。雪のためだったら、何度だって地獄の神を殴り倒したり唾ひっかけてでも雪のところに帰ってくる」

「…嘘吐いたら?」

「ボクが嘘吐いたことあった?」

「俺には何度もあるけどな」

「不惑、うるさい」


 茶化すように言った瞬間に一蹴された。手厳しいな。ってか、見せつけられっぱなしなら、俺帰ってもいいんじゃねえか?


「…じゃあ信用する」

「それはよかった。そろそろ、不惑が怒りだしそうだしね」


 そう言うと五十嵐さんは顔を赤くした。すっかり二人だけの世界に入っていたという事なのか?


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