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「ところで要」

「ん?」

「途中から弾が無制限に出るようになったのって何でだ?」


 その質問に、要は嬉しそうに説明を始めた。


「それはね、規定したから。クライムが支配した空間では、基本的にその人の想像が全て。だから弾数無限に切れ味が上がったってこと」


 なるほど。この説明のおかげでようやく合点が行った。


「ついでに…まぁ、ちょいとした質問だからこっちは答えなくてもいいんだけどさ」

「何?」

「お前って、どうしてこんな馬鹿みたいにめんどくせえことに首突っ込んだんだ?」


 そう聞くと、街灯に照らされていた顔は、ほんの少し陰りを見せた。


「―かっこつけて言っちゃえば、守るためには元を叩くのが一番効率的だからかな」

「『守る』?」

「ふふっ。ボクが命をかける理由なんて、単純な方がいいんだよ」


 微笑―しかも今までに見たことが無いほどに嬉しそうに頬を緩ませる要。その理由が気になる。


「何だよ。ファンタジー溢れる内容なのか?その理由って」

「そんな小面倒くさいことじゃないよ。ただボクが彼女に出来るのはこのくら―」


 情報ゲット!こいつが口を滑らせるなんて珍しいこともあるものだ。


「ほうほう、なるほどな。俺の知らない間にリア充になっていたと」

「あ、ボク用事があった「まぁ待てよ」


 逃げ出そうとする要のワイシャツの首筋を掴み強制停止させる。


「ちょ―っと聞きたいことがあるから時間寄こせやこら」

「ふ、不惑!肩!肩が悲鳴を…!」


 あれ?力加減を間違えたか。少しぐらい緩めてやるか。

 ミシッやギシリと嫌な音がしたのは気のせいだろう、うん。なんせ俺は力

を緩めんたんだ。


「絶対緩める気なぁい!」

「さて、近所迷惑だ。少しは静かにしろ」

「出させる原因は誰のせいさ!」


 何の事だかさっぱり見当がつかない。俺は夜の遅い時間の大声を注意しただけなのに。

 そんな時に、不意に足音が聞こえた。


「……凌?」


 街灯に照らされてそこにいたのは、制服を着たほっそりとした印象を受ける女の子だった。


「あちゃあ…」


 なるほど。どうやらこれで詰みの様だな。観念したのか要が大人しくなっ

た。


「…紹介するよ。ボクの彼女、五十嵐雪(いがらしゆき)だよ」

「…凌。どういうこと?」

「追々説明するよ。取りあえず、雪の家行ける?」


首を傾げる女の子に、要は困ったようにそう言った。


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