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「これが裏技だよ。さて、当初の計画通り、これが出来なきゃボクは倒せないよ」
「…。無理難題押しつけやがって…」
どんなカラクリかは知らないけど、必ず仕掛けか何かがあるはずだ。
「考えてると、速攻で終わっちゃうよ!」
さっきより状況が悪くなった状態での鍔迫り合い。刀身が厚くなった上に長くなったから威力も桁違いに上がっている。
「…クッ!ヒントとか無いのかよ!」
「そんなに勝負の世界は甘くないよ」
剣の腹を真横に叩かれ、重心が崩れる。そこに軸として回転蹴りを直撃で食らって派手に吹き飛ぶ。
「戦術だけじゃ勝てないよ。不利なら有利に変えて要領良く攻めなきゃ」
大剣を肩に担いで嘆息される。
だが、正直な話どうにもならない。もし事態を好転させようとするなら―
もしも銃の弾倉が無限だったら?
もし、剣の切れ味が上がったら?
そんなことになれば、状況は変えられる。けど、そんなこと…。
そう思った瞬間、剣と銃が光り輝いた。
「…よかった。覚醒してくれた」
要がそう呟いた気がした。光が収まったころには、特に変化は見られなかった。けど、これならいけると、どこかで思えた。
「ま、人間やれる時にやった方がいいよな!」
銃を抜き、照準を合わせる。
「さて、どんなことを考えたのか見せてもらうよ?」
銃に恐れること無く要が突っ込んでくる。
「行くぞぉ!」
引き金を引く。引いて引いて引きまくる。弾が無くなる気は不思議とせず、どこまでも連射が利く。途中までは要は弾丸を弾いて接近してきていたが、やがてかわすような動きに変わっていった。その中で距離が埋められていく。
「それじゃ…こっちも本気になってみようかな?」
大剣を一度大きく薙ぎ、身が隠れたと思ったら、もうそこにはいなかった。
「…上か!」
上を見上げると、大きく振りかぶりながら落ちてきていた。銃をしまい、剣の柄に手を当て、居合の構えで迎撃する。
「時間的にも、これが最後だよ!」
「関係ねえ!一発勝負にゃ違いないだろ!」
「ハハッ!そういう気概、ボクは嫌いじゃないよ!」
お互いが徐々に迫る。そしてお互いに一瞬の邂逅の瞬間に互いの体を引き裂いて時間になった。
「最後の最後で相打ちか」
「上等だよ。ボク相手にここまででの善戦だからね」
「ん、二人とも終わった?」
戦い終わると、暇そうにしていたクライムがゆっくりと近づいてきた。
「それじゃ、一旦元の世界に戻るよ。長々とこの空間作るのも存外楽じゃないしね」
空間が歪み、元の学校の屋上へと戻ってきた。
「要。ボクの見立て―と言うよりかは推測だけど、時間は延ばせてあと二日だよ」
「充分。それだけあれば、鍛え上げられるよ」
いつの間にか長い夏の日が沈み、空には緩やかに月が姿を見せていた。
「さて、明日は休みだしここでお開きにしようか。この後やる予定の試験は、また明日ってことで」
非常階段へと当たり前の様に進んでいき、堂々と閉まった校門を片手で造作も無く開けて敷地外へと出た。




