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 いつもの笑み。けれどそこには穏やかさは無く、ある種の殺意があった。


「なっ―」


 狼狽しているうちに剣が振り抜かれる。絶対に死―――



――ななかった。



「言ったでしょ?ここだと死なないって」

「なるほど。で、死なないのにどうやって入隊試験なんだ?」


 取りあえず間合いを取って銃を収めて円を抜く。


「簡単だよ。この十分の制限時間に、ボクを三回殺せれば第一段階は終了。―ただし」


 開けた間合いを一瞬で詰められる。かろうじて剣で防いだが威力に腕が痺れる。


「ボク、この活動の幹部クラスなんだよね。大丈夫、手は抜いてあげるよ」

「ったく、やなことさせるよな。つか、随分細身でパワーありやがるな…」


 ギリギリと力の拮抗が少しずつ要の方が有利な方へとずれ込んでいく。


「ま、これでも大剣使いだからね。力はあるよ!」


 ほんのわずかに鍔迫り合いから刀身を離し、再び叩きつけられる。


「武器の特性を上手く使わないと、勝てっこないよ」


 いつもの様な口調、仕草にも関わらず威力はどんどん上がっている。


「くそっ…たれがぁ!」

「おっと」


 持てる力を振り絞って何とか弾く。剣を構え直そうとした瞬間。


「遅いよ」


 また一瞬で詰められて今度は剣の腹で胴を薙がれる。


「いったあ!」

「どんどん行くよ?」


 痛覚が反応している間に蹴り飛ばされる。


「そうそう、今ので分かってると思うけど、痛覚は反応するからね。あんまり食らってばかりだと、意識が遠のくかもよ?」

「…剣道なんかじゃ勝てねえだろ、こいつはよ…」


 もし通用したとしても困ったことに剣道の成績はいい方ではなかった。しかもこんなに武器としての相性が悪すぎる。威力はどう考えても居合刀が大剣に適うわけがない。即席の作戦が一つあるが、制限時間中に三回も決まることはないだろう。


「ハッ、やらねえよりかはましか!」


 今度は攻勢に回り、剣の柄に手を当てながら間合いを詰める。


「居合?いきなりでやってみるチャレンジャー精神はいいと思うよ」


 向こうも構えて走りこんでくる。射程ギリギリで一気に剣を抜き切る!


「はあ!」


 単に突っ込んでいっただけでは結果は目に見えている。―なら!



ギイン!



「なっ!鞘!?」

「そこ!」


 剣と見せかけて投げた鞘に気を取られた瞬間に腰の辺りを薙いだ。


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