22ページ
要の言葉を聞き流し、剣の方を抜刀してみる。刀身は細身で、若干肉厚な雰囲気を見せている。納刀し、銃の試し撃ちしようとする。
「…何か的ない?」
「適当に撃ってみれば~?」
自分のやることは無いからか、やけに二人が投げやりだ。溜息を隠し、虚空に向かって引き金を引く。
ダァン!と、無闇に景気のいい音を立てて弾丸が射出された。手に衝撃が残っているが、しばらくやればうまく逃がせるだろう。
「まぁ、これで無事不惑も参加。武器も出来たし、伝承の時には少し頑張ってもらわないとね」
あっけらかんと言った要の言葉にクライムが顔色を変えた。
「本気なの!?」
「ボク、冗談は好きだけど嘘は嫌いだよ」
「そこの線引きは一体どこ…」
呟くも聞き入れられず、クライムは少し怒ったような顔をしていた。
「あの世界の死はこっちの世界の死も同様だよ?分かってるの!?」
「分かっているからこそ、ボクはこの活動をしてるんだよ。それに、巻き込んだ張本人が言える言葉じゃないからね」
「そ…それはそうなんだけどさ…」
肩を竦めるクライム。ところで今さりげなく大変な事を言わなかったか?
「死ぬって…?」
「ああ、忘れてた。死んだら、この世界でもあっちの世界でもゲームエンド――つまり死ぬってことだからね」
舌を出し、首筋を指で切るジェスチャーを見せる。その姿は無邪気な悪魔の様である。
「なるほど。さながら、命がけのゲームか」
思わず背筋に寒気がする。けど、悪い気はしない。
「面白ぇ…上等じゃねえか」
知らずの内に笑みが零れる。怖いほどに面白い。
「とても正気の沙汰とは思えないけどね」
冷や汗を垂らすクライムに苦笑いして要の方を向く。
「で、この後何するんだ?」
「次はボクの出番だよ」
消した大剣を取り出し、こっちと相対する。
「十分耐久のボクとの腕試し。怪我したり死んだりはしないから安心だよ」
「…修行って奴か?」
そう聞くと、いつもの笑みを浮かべた。
「そんな大それたものじゃないよ。言うなれば―」
一瞬姿が消えたかと思ったら首筋に剣を当てられていた。冷たい刃の感覚が全身を恐怖で覆う。
「入隊試験みたいなものかな?」




