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相談の全く無い状態で話が進んでいく。
「待て、一体何をしようとしてんだ?」
不惑がそう聞くが、クライムは一切気にした風も無く指を鳴らした。ぐにゃりとこの間赤ずきんの世界から帰ってきたように視界が歪む。
「不惑、そんなに警戒しなくても平気だよ。この空間は物語とは全く別の空間だから」
確かにそうなのだろうか。足元を見てみても床らしいものは無く、空があるわけでもない。例えるならば、余計なものを一切片付けた馬鹿っぴろい病室のような場所だ。
「それじゃ、武器でも作ってもらおうか」
空中に浮遊していたクライムがさも当然のように言ってのけた。いきなり物騒な。
「ま、やること自体は簡単だよ。不惑、RPGって好きだよね」
「まあそこそこには」
「目を閉じて好きな武器を思いつく限り想像してみて」
促され、取りあえず考えてみる。剣、槍、杖、短剣、銃。そのくらい思いついたくらいで目を開いてみると、足元にその武具があった。
「…ワオ」
「んー、こんなもんで平気かな。不惑、この中から好きな武器選んで」
「よしわかったとは即答できねえな。何事だよこれ」
半分くらい呆然して聞くと、要は笑顔で言ってきた。
「これが、不惑の扱えそうな武器だよ。この中から自分に一番合うのでこの後戦うんだよ」
なるほど、ある意味この選択がこの先の生死を決めると言うことだろう。
「んじゃ…これとこれでいいや」
山のようになった武器の中から適当に手を突っ込み取り出す。それは、鞘に収まった一本の剣と、簡素な自動拳銃だった。
「あのさ…二つも武器は選べないんだけ―」
クライムがそう言いかけたところで、残されていた武器が光を放ち、虚空へと消えた。
「え…まさか二つ使えるの!?」
そのことに一番驚いているのはクライムのようだった。
「おろ?要、お前はあの大剣しか無いのか?」
「うん。それに、ボクが呼び出せたのってあの大剣一本だけだったんだよ?」
苦笑いして何も無い空間を握って軽く振ると、そこにはこの間の大剣があった。
「うおっ!いつの間にそんなもの出したんだよ!」
「別にいつでもあるよ。簡単に言っちゃうと空間に収納って言うのかな?」
「つまり、見えないだけでいつでもあるってことか」
そう言うと要は微妙に眉を顰めた。
「うーんと…微妙に違うんだよ。確か…空間を強制的に弄くり回すって言うのかな?」
大剣を消し、意見を仰ぐようにクライムへと視線を移すと、面倒そうに口を開いた。
「違うよ。時空間のひずみの断層に置いといてるのを、ボクの承認した世界に喚んでいるんだよ」
「細かい理屈ありがとう。取りあえず出し入れ自由ってことな」
「説明台無し…」




