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疾風の言葉に疑問符を浮かべる要。
「どういう事?」
「…このことは我らの里長でも分からないし、部外者には他言すらできないことだ。すまない。答えは、我らの伝承の中に秘められている」
「そっか、なら仕方ないけど…」
一体何のことかは分からないが、力になれないのがどこか悔しい気がした。
「んー…じゃあ、詳細とまでは行かなくていいや。簡単にどんな感じの困り事なの?」
初対面ながらも謎の協力姿勢を見せる要に、疾風は少し考える仕草を見せた後、ゆっくりと口を開いた。
「…このことには、天狗一族の伝説が関係しているのだ」
「疾風!この人たち、本当に信用できるの?」
慌てたように風花が一度止める。
「…だが、でなければ俺たちの呪いが解けるかどうかも分からない。藁にでも縋らないと、このことは解決しないだろう」
「それは…そうだけど…」
渋々了承したのを受け取り、疾風が続きを話す。
「…伝承で、俺たちはあることをするとこの面が取れ、『ヒト』になれるそうだ。だが、一年ほど前から、伝承の書かれた巻物の内容が白紙になって、里の誰もが思い出せないのだ」
目を閉じ、静かに聞いていた要が絵を開き、こちらに視線を合わせて一言告げる。
「完璧、リカッサの仕業だね」
「り…りかっさって何?」
疑問符を浮かべる二人。それをさておき、試すような口ぶりで要がこっちに言葉をかける。
「不惑、これは結構急を要する状況かもしれない」
さっきと打って変わった真剣さに疾風たちも息を呑んでいる。
「この間説明したけど、奴らはああして伝承にまで潜りこむ。そして、その伝承をいつか完全に消失させる」
「…」
「力を貸して、不惑」
頭を下げる要の姿を数秒見つめ、俺は一つ溜息を吐いた。
「…明日まで待て。結論は急いで出しても意味が無い」
「本当は、もう結論なんてクライムに出会った瞬間に出てたんじゃないの?」
「勝手な想像だ。とにかく明日になりゃ自然と結果は着いてくるだろ」
そう言い、三人の横を抜け、俺は屋上を後にした。




