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「不惑、客が来てるぞ」

「客?誰だよ、そんな物好き」


 翌日の昼休み、要と共に弁当を食べていると、クラスの奴からそんなことを言われた。


「ホント物好きだね。こんなめんどくさがり屋に用事なんて」

「ま、それはお前もだろ?」


 そう言うと、苦笑いを零す要。呆れ顔して席を立って客の元に行く。そこにいたのは、昨日見た顔だった。


「えーと…」

「…疾風だ。昨日は世話になった」

「私は風花。昨日借りた傘を返しに来たの」

「あぁ、俺は遠藤不惑。別に傘くらい気にしないでよかったのに」


 律義に返しに来てくれたようだ。どうせ安物の傘だったし、実は家に三本ぐらい同じものがあったりする。


「えと…ちょっと不格好なんだけど、お礼にクッキーとか焼いてきたの。よかったら」


 持っていた鞄からクッキーの入った包みを見せてくれた。


「そんなつもりじゃなかったんだけど、何か悪いな」


 受け取る時に一瞬手が触れたら風花の顔に赤みがさしたのは気のせいだろうか?


「…では、世話になった。何かあったら、手伝ってもらえると助かる」

「気が向いたら手伝えるかもな。そんじゃ」


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