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「ねー、やってくれないのー?」


 確かに再びあの予言は当たった。キャッチセールスのようにしつこい。しかも相手が最悪な形で、だ。


「要のことはいいのかよ。またあいつのこと駆りだしてたんだろ」

「そうなんだよね。困ったことに、今あれが出来るのは世界中でも日本の生命しか出来ないんだ」

「なんでまたそんなに範囲が限定されているんだよ。別にアメリカ人とかインド人がやってもいいだろ」


 投げやりに鬱陶しいクライム(帰ってきたらいた)を睨むと腕組みして答えた。


「基本的に無理なんだよ。説明には少し時間がかかるんだけど、簡単に言っちゃうと脳の使い方が違うんだよ」

「脳…だ?」


 いきなり話題が生物的なことになりポカンとする。すると苦笑いして説明をくれた。


「日本人と外国人―他国人っていうのは、音の聞きわけが違うんだよ。言語を聞きとるのはお互いに左脳なんだけど、他国人はそれ以外の音は雑音として右脳で聞き取ってるんだよ?」


 よく分からないが、要するに日本人は他の音も多少は左脳で聞いてると言うことだろう。


「で、それがどう作用するんだ?」

「要するに、五感で聞き取る力がほんの少し違うんだよ」

「またよく分からないことを…」

「ざっくりと言っちゃうと、向いているかどうかの差だよ」


 なるほど、覆しようが無い。


「で、やらない?」

「さあな」


 昨日と同じようにベッドに寝転びあっちへ行けと手でサインする。


「ほら、今日の交渉はこれで打ち切りだ。遅くとも明後日には返事をやるから」

「やれやれ。気難しいね」

「ほっとけ」


 そう言うと姿を消してどこかに行ったようだ。


「…暇だし出かけてみるか」


部屋の時計を見てみればまだ五時。梅雨が近いころだが、雨が降らないかが心配である。


「まあいっか」


 適当な服に着替え、一応傘を持って出かける。


「そういや冷蔵庫が空っぽだったか」


 そんなことを思い出し、スーパーへと足を延ばすことにした。



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