第七回:熟女フェチ学
40代の色気ムンムン熟女になったリリアーヌ
この日、銀髪長身の年齢不詳美女リリアーヌは少し大人びていた。
元々大人ではあったのだが、少しふくよかな体つきと疲れた表情、
しかしそのどこかに熟成した色気を感じさせる所作が含まれていた。
青髭が逞しい青日下が声をかける。
「ありゃ、リリアーヌちゃん、何だか大人っぽくなってない?
って、まぁ元々大人ではあったけどさ。」
「あぁ、青髭か。そうだな、少し歳を取った気がする。
まぁ今日の講義に合わせて物語の都合上そうされたのだろう。
メタ発言はあまり好きでは無いが、まぁきっとそう言う事だ。」
「いやぁ~しかし、たまらんねぇ~。
胸とかもう暴れ散らかしてるじゃん。
絶対、谷間に汗かきまくってるでしょ。」
「あぁ、そうだな。だがしかしお前には絶対に嗅がせないぞ。」
「ガーン!!!!
ショックで股間がEDになっちゃう・・・。」
こんなやり取りの後、二人は残り二人の講師と共に変態学各論の
第六回講義に臨んだ。
青日下が口火を切った。
「えー、今日の講義は『熟女フェチ』についてです。
熟女、の定義はハッキリとは定まっていませんが、
一般的には30代中盤~40代とみられています。
しかし近年ではこうした年代も十分に若い為、
もう少し定義を上げないといけないかも知れませんね。」
今日の青日下は講師らしく落ち着いた佇まいだ。
熟女という扱うテーマに沿うようにそうしているのだろうか。
そもそもが青日下はおそらく、熟女と言われる層と同世代だ。
「熟女フェチと言っても、それを好む層は様々です。
20代の若者が熟女フェチな時、それは母性を求めていたり
私のような世代の場合は自身と近い年齢を求めたり
もっと上の層になれば、熟女であっても十分に若いでしょう。」
リリアーヌが続ける。
「また、この物語を紡いでいる作者のみぎゃー氏はある時に気付いた。
閉経していたら中〇し放題じゃね?とな。
実際に、閉経後は中〇しを楽しむカップルや夫婦もいるようだ。
まぁそうしたリスク管理の観点からも熟女は魅力的だ。」
オレンジ色の全身タイツに身を包んだ巨躯の村古木が続ける。
「疲れ切った表情やたるんだ腹や胸、人生経験等。
熟女は意外と魅力がたっぷりなんだな。」
そこへ、暗部がツッコみと言うか質問を入れた。
「だけど、生物的には若いメスの方が優秀ですよね?
それは元気な子供を産めるだけの体力や新陳代謝があるから。
それなのに何故、あえて熟女に行くんですか?」
青日下が得意げに答えた。
「ん~、深夜子ちゃん。良い質問・・・いやむしろ、エロ良い質問だね。」
「え、エロ良い質問って何。ドン引きなんですけどその表現。」
「まず、私のような熟女と同世代の男性、
深夜子ちゃんは付き合いたいと思うかい?
もちろん、大人の男の魅力はたっぷり、
あと汗臭と加齢臭も存分に楽しめるぞ。」
「いや、そもそも年齢に関係無くド変態な青日下さんとは
恋愛とかそういうのにはならないです。」
「もう!ツレないなぁ、深夜子ちゃんは!
まぁ一つには、彼女達も恋愛市場での自身の価値をわかっている。
そしてこちらの買う側もお買い得に買える、って言うのがあるよね。」
「何なんですか、買うって。
人身売買は多くの国で違法ですよ?」
「いやいやまぁ、恋愛を疑似的に言う時の方便じゃないか。
例えば深夜子ちゃんはスーパーで、今夜すぐに食べる夜食を買う時、
半額弁当と定価の弁当どちらを買う?」
「まぁ、すぐ食べるのなら半額弁当の方が経済的ですよね。」
「そう。すぐに食べるのなら、『まだ食べれる』のはお得なんだ。
それでディスカウントがされているなら、お値打ちだよね。」
「あの~、女性を弁当で例えないで下さい。
そもそもちょっと、既に妙齢の女性を敵に回す内容のような・・・。」
「いやいやいやいや、私はこれから大熟女ブームが来ると見ているよ。
そもそも今の時代はあまりに若さを尊いものとして過信している。
高齢化時代の中で、熟女世代がまだまだ十分に魅力的だと知らないと。」
リリアーヌがそこへ口を挟んだ。
「それとな、男女の性欲のピークのグラフを見た事があるか?」
暗部が答える。
「あー、何か男性は10代や20代の若い時に一気にピークが来て、
女性は40頃を目掛けてゆるやかに上がっていた気がします。
確か妊娠可能な時期のリミットに合わせてそうなってるんですよね。」
「うむ。そうした観点から見ても、熟女は・・・」
リリアーヌが言いかけた所で、青日下が口を挟んだ。
「そう!熟女はエロい!!
今回の講義では俺はそれだけを伝えたかったんだ!!」
村古木が横から割って入った。
「現実にはどうかは知らないけれど、成人誌なんかでは
ゴムに穴を開けてみたりとか終電をわざと逃したり、
熟女が焦って性欲が凄い様子を見ていると、僕もワンチャン・・・
なんて思っちゃうよなー。」
リリアーヌがその言葉を受けて更に続ける。
「ふふ、豊満な体を持て余すのはもったいないからな。
不倫がこうした年頃で流行るのは、単に子育てが落ち着いた以上に
年齢が持つ特有の事情と体のバランスから来るものだな。」
青日下がわなわなと青髭の口元を揺らしながら言う。
「と、言う事は熟女になってる今のリリアーヌちゃんとなら
今夜は俺でもワンチャン!?」
「いや、無いからな。
いくら熟女が自らのタイムリミットを焦る生物的本能があったとしても
無理なモノは無理だ。そこは人間としての譲れないポイントだからな。」
「人間としてそもそもアウトって、俺の存在価値は・・・。」
と、落ち込んだフリをして同情を誘う青日下だったが、無駄だとわかると
スクッと立ち上がり、スクール水着に着替え始めた。
「そう言えば、熟女に制服とかこういうキツい水着を着せるのも良いね。」
「あぁ、そうしたジャンルもあるな。
あえて似合わない、女児が着るサイズの服を着させて体型を強調し、
恥ずかしがる様を楽しんだりな。
しかしそこで暗部が言い難そうに口をモゴモゴさせている。
リリアーヌが察して自ら解説を加える。
「あぁ、コレはデメリットと言うか、気を付ける事だな。
どうしても加齢により口臭がする事などがある。
人間歳を重ねれば内臓も衰えていくから、仕方無い事だ。
しかし出来るなら行為の前にはガムを噛む等、
多少の配慮があれば尚良い。まぁ熟女は社会経験が豊富だ。
そうした事に気が付く熟女であれば、まず安心だろう。」
そして更にリリアーヌは続けた。
「あぁ、それと。コレは熟女と言うか少し派生のフェチになるが、
経産婦は魅力なんだ。」
そこへ「聞いた事がある」と応える暗部。
「あぁ、経産婦は一度『無事に産んでいる』実績があるからな。
健康な状態で産む力があるかどうかわからない初産婦には無い魅力が
あると言うのは生物学等からの視点でも言われている事だな。」
そこへ青日下が、またいつものように茶々を入れる。
「もしかしてリリアーヌちゃんって、隠し子がいたりして?
だとしたら女の子だったら、ボクが食べちゃおうかな?」
リリアーヌは光の速さでゴルフのクラブを取り出して、
青日下の頬を思い切り躊躇なく打ち付けた。
「ぶべらっ!!」と声を上げながら、青日下は窓ガラスを突き破り
向こうの方の山へと吹き飛んで行った。
「ふぅ。ゴミ出しの日では無いが、まぁやむを得まい。
それでは皆、今日はこれで終講とするぞ。
聞いてくれてありがとうな。次回もまたよろしく頼むぞ。」




