第四回:胸フェチ学
爆乳になった変態学講師達
「ムッホー、コレすっげーな!揉み放題じゃん!!」
青ヒゲを蓄えた青日下は自身の胸を揉みしだきはしゃいでいる。
「ちょ、ちょっと、コレ何なのよ一体!?」
ゴスロリ服の暗部深夜子は驚きが隠せないでいた。
「メタ的な視点で言えば、
ボクちん達の体を使って作者が遊んでいるんだと思うよ。」
オレンジ色の全身タイツを巨大な体躯に身に纏い狐面を顔に付けた
村古木助平が言った。
「あら、何を焦っているのかしら。
私は特にそんなに変わらないからいつも通りだけど?」
冷静な顔でサラッと言ったのは銀髪に長身の美女、
リリアーヌ・フェデランチェスだ。
「いやいや、リリアーヌさんも結構大きくなってますよ!?
最初からこの大きさでしたけど?みたいな顔しないで下さいよ!」
暗部がリリアーヌにツッコみを入れた。
そうこうしていると村古木が自身の胸を揉みながら言った。
「ま、まぁ今日の変態学各論の講義は『胸フェチ』だから、
ちょうど良いんじゃないかな。とりあえず今回はボクが講師だよ。」
リリアーヌは「またお前か・・・」と言った感じで頭を抱えた。
「さぁ、行くよ!
胸フェチは奥が深いからね、今日は頑張っちゃうぞー。」
~講義室~
講義室は既に超満員だった。
4人のコミカルなやり取りが面白いと噂になり、
立ち見まで出るほどの大盛況な講座になっていたのだ。
4人が講義室に入って来るなり、講習生達は噴き出した。
あまりに4人が爆乳になり過ぎて、堪え切れなかったのだ。
「えーそれでは、変態学講座各論の第三回、
胸フェチについて、を始めます。ブッ!」
村古木が屁をコいたその瞬間、村古木のOカップがブルンと揺れた。
講義室が爆笑の渦に包まれる中で、ツッコみも飛んで来た。
『Oカップって何だよ、聞いた事ねーよ(笑)』
しかし村古木はたった一言で講義室中を黙らせた。
「・・・胸の谷間に溜まった汗は臭い!!」
シン・・・と静まり返る講義室内で、
時計の針の音だけが異様に大きく響いていた。
「だが、それが良い。」
その一言で講義室中がホッとした雰囲気になった。
「えー、皆さん。まぁ考えてもみて下さい。
胸なんて本来、たかが脂肪の塊です。
それなのに人類はそれに必死になり金をかけ、
時には命まで賭けたりなんてしています。」
『命まで賭ける?』
『そんなヤツいねぇだろ』
『何でも良いから銀髪ねーちゃんの胸の谷間嗅がせろ』
口々に心無い言葉が飛び交う。
「シャーラップ!!
胸フェチなめんなガキどもが潰すぞ!!
胸はなぁ、胸は・・・宇宙なんだよ!!」
あまりに支離滅裂で感情的な村古木に業を煮やして、
リリアーヌが講師を代わる。
「まぁ、谷間が臭いのはケアの問題だ。
確かに疲れている時なんかは臭い時はあったがな。
しかしまぁ、何だ。逆に胸が嫌いなヤツなんているか?」
一人手を挙げた講習生は『母親を思い出すから』と述べた。
「なるほど。そういった個人の生育環境により左右されるのがフェチだ。
そもそもこんなものを年中だらしなくブラ下げているのは人間だけだ。」
『『『!!??』』』
講義室中に動揺が走った。
「考えてもみろ。
こんなに必要以上に乳が垂れている動物なんているか?
人間はな、2足歩行になった事により尻が性アピールの役割を失い、
代わりに乳の発達が性アピールの指標となったのだ。」
それを聞きながら暗部が自身の胸を揉む。
今は通常以上に大きく膨らんでいるが、通常は控えめだ。
「あの、リリアーヌさん・・・無い人もいると思うんですが。」
「あぁ、無いなら無いなりに需要はあるぞ。
そもそも貧乳フェチというものだってあるんだ。
だがお前の場合は別に貧乳とも言えないから中途半端だな。」
「そ、それは!!
本来は私は貧乳キャラなんだけど、AIがあまりに幼児に見えるキャラは
作ってくれないから仕方ないという事情があって・・・。」
「急にメタな発言は止めろ。読者が混乱するだろ。」
「読者って、リリアーヌさんだってメタ発現してるじゃないですか!」
その時、青日下がボソッと言った。
「しっかしコレ、何気に重いな・・・。
こんなモン毎日取り外しも出来ずにぶら下げていたら
肩が凝ったりしないのかねぇ?」
そこへリリアーヌが食いついた。
「そう、そこなんだ、たまには良い事を言うじゃないか、青髭!」
リリアーヌは目を輝かせながら、講義室中に響く声で解説をする。
「そもそも胸が正義!みたいな風潮があるが、それは間違いだ。
胸なんて飾り、オプションだ。好みは構わないが、
あまりそれに左右されるな。ある者からしても大変なんだ。」
「あのー、リリアーヌさん・・・。
変態学講座なのに個人的な感情を挟まないで貰えますか?」
暗部がツッコみを入れた。
「コホンッ、まぁ、胸フェチの人間と言うのは大抵、
そこに母性や安心を求めている事が多いな。
あとは触覚やビジュアルの派手さ等、要因は様々あるが。」
「あーでもコレ確かに、取り外しが出来ないと言う事は服装も
シルエットがどうしても『私、胸あります!』みたいになりますね。」
「そう!そうなんだよ。
だから、作者よ。男共はどうでも良いから、暗部の胸を戻すな。
ずっとこのまま爆乳にしていろ。」
「ちょっと、リリアーヌさん一体誰に話しかけてるんですか!!
大体、次回の講義以降もこの胸だと私服を買い直さないとですよ。」
「そこなんだよなぁ・・・。
胸があると胸フェチとまでは行かなくとも、胸好きが寄って来る。
どうしても目に入るし、無視は出来ないからな・・・。」
「何だか今回はリリアーヌさんのお悩み回みたいになってますね。」
「すまんな。別にそうする意図は無かったんだが・・・。
それにしても男共がやけに静かだな。って、あ、何やってるんだ!?」
見ると青日下が自らの胸からミルクを飲もうと胸を持ち上げていた。
「やめんか!!
講義室でやるような事じゃないだろ!!
やりたければ後で一人でトイレでも行ってやってろ!!」
「じゃ、トイレ行って来ま~す。」
「って、早速行くヤツがあるか!!」
そうして青日下が行ってしまった後、講義室は静かになった。
今日はあまりにリリアーヌの独白会になってしまった。
そんな反省が彼女にはあった。すると。
「ダメだった、やっぱり自分のは飲めなかったよ。」
早速、青日下が戻って来た。
「って、早っ!!
お前、まだトイレに辿りけてない時間だぞ!?」
「あーいや、廊下で試して来たよ。」
「廊下でそんな事をするな!!」
そこで暗部から質問が飛んで来た。
「あのー、そもそもやっぱり授乳は別のフェチなんですよね?
そう考えると貧乳とか奇乳とか、胸フェチの派生って
結構色々と裾野が広いんですね?」
「奇乳って何だ・・・。
まぁしかしそうだな。
そうした色んなフェチを全てこの講座で取り扱うかはわからんが、
と言うかそもそも性癖なんて無限にあるから、この講義、
一体どこまで続くんだろうな・・・。」
「まだ各論の第三回の時点で先の事を心配するなんて、
リリアーヌさん、気が早過ぎますよ(笑)」
そう、変態学講座はほぼ毎日開講しているのだ。
他の講義は多くても週2~3回だが、変態学講座だけは
毎日やっているものだから、終わりが見えないのだ。
それでも受講生達はそこから何かを得ようとしている。
まだ見ぬ変態性を、フェチを知るために。
まだまだ今は序の口、一般的な性癖だ。
一体これからどんなアブノーマルな性癖が登場するのだろうか。
そして次回、4人の胸のサイズは元に戻るのだろうか。
様々な疑問を胸に収めながら、受講生達は
『次からはオンライン参加にしようかな』と、
密かに企んでいるのだった。




