第三回:制服フェチ学
思い思いの制服を着た変態学の講師達
「じゃ、じゃ、じゃあ、変態学各論第二回は『制服フェチ』なんだな。」
2mを超える巨躯にオレンジの全身タイツを着た村古木が壇上に上がる。
今回は講師の4人ともがそれぞれに思い思いの制服を着ている。
しかしそれは全て女子向けの制服であり、男性陣はかなり浮いている。
「べ、べ、別にこの制服はフリマアプリで買ったんじゃないよ!
ちゃんと盗んだものなんだから!!」
村古木はワケのわからない言い訳をした。
それに対して銀髪の長身美女リリアーヌがツッコむ。
「いや、よくお前サイズの制服があったな。
しかもお誂え向きにオレンジ色だし・・・お前その盗んだ制服の持ち主と
付き合った方が良いんじゃないか?かなりお似合いだぞ。」
そこへ、似合いもしない女子制服を着ている青日下が走って来た。
「やりぃー、スカートめーくり!!」
青日下はリリアーヌのかなり丈の短いスカートをめくった。
彼女のパンティストッキング越しに見えたパンティの色は
黒かに思われたが、意外にもピンクのようだった。
「うっお!!
クール気取ってるリリアーヌがピンク下着とか、
めっちょ興奮すんぞ!!」
青日下はその場で腰をカクカクと前後に振り始めた。
その瞬間、青日下の股間に強い衝撃が走った。
「ぐっぴぇえぇ~!?」
股間を押さえてうずくまる青日下。
どうやら彼の尻側から股間を目掛けて
リリアーヌが強烈なキックを放ったようだ。
「そこで潰れてろ、このド変態が!!」
その姿を見て、何故か焦る村古木だった。
が、気を取り直して仕切り直しの言葉を放つ。
「さ、さぁ、それでは制服フェチについて説明するよ。
まず制服は個人のライフスタイルにより通過するしないはあるが、
基本的には誰しもが通る道だから、というのが大きいよ。」
暗部深夜子は頭に「?」が浮かび、それを村古木に尋ねた。
「誰しもが通る道だからって、どういう意味?」
「ふふ。つまりはね、誰しもが学生時代に何かしら性の目覚めを経験する。
その時に異性(まぁ主には女子だけどね)が着ているのが制服。
こうして興奮のスイッチが入っちゃうんだよね。」
「なるほど・・・誰もが変態になり得るのね。」
「それと、特別感のある衣装って事も関係しているよ。
着るのは基本的に学校に行く時だけだし、何より若い時だけだし。
あ、若い時って言う話で、やっぱり若さの象徴っていうのもある。
つまりは制服=若くて健康的な異性、みたいな。」
すると突然、リリアーヌが村古木に怒鳴り始めた。
「若い若いって・・・本当にお前ら男は・・・!!
若さだけが全てじゃないだろうが!!」
「え、えぇえ~!?
いや、リリアーヌさんは綺麗だから別に良いじゃないか。
(やっぱり、年齢不詳と言われながらも実はアラサーなの、
本当なのかな・・・。)」
しかし、めげずに村古木が続ける。
「あと、教育と言うある意味で神聖視されている象徴の制服で
イケない事をするという背徳感、みたいなものもあると思うよ。」
そこへ、暗部が口を挟んだ。
「なるほど、でも確かにリリアーヌさんみたいないい年の女性が
無理矢理に制服を着ていたら背徳感あるのかも?」
それに即座にリリアーヌが反応する。
「ちょ、暗部さん!?
年上の女性の事をいい年とか言わないの!(泣)
暗部さんよりもちょーっとだけお姉さんなだけよ?」
すると、さっきからずっと黙っていた青日下が隅の方でボソッと言った。
「まぁコレ、野外でションベンするのに最適だよな。
ジーンズとかじゃ出来ないけど、スカートならたくし上げるだけだし。」
そう言いながら隅の方で小便をしようとしていたのだ。
すぐに暗部が止めに入る。
「ちょ、ちょ、ちょちょちょちょっと!!
ダメだよ!?こんな講義室でしないで!?
って言うか、それ誰も得しないからね!?」
止めに入られて青日下はしょんぼりしていたが、
しょんぼりしたいのは他のメンバー達の方だった。
気を取り直して村古木が続ける。
「また、デザインには大きく分けてセーラーとブレザーがあるけど、
コレは本当に個人の好みが分かれる所だよね。
ちなみにボクは、田舎の通学が1時間くらいかかる女子高生が
山を登って帰宅している途中で催してしまって仕方なく脇道で
う〇ちをしていたらたまたま通りかかったドライブしていた人が
『何してるんだ?こんな所で。』と見つかり、犯されるのとかが最高。」
それを聞いてリリアーヌが村古木の後頭部に蹴りを入れた。
「ぐっぱぁ・・・ぶりぇ。」
村古木は漏らしながらその場に倒れ込んでしまった。
「フン・・・。銃でも持ってくるべきだったか。」
いよいよカオスになって来た講義室内を落ち着かせようと、
暗部が必死に収拾を付けようとする。
「えーっと、とにかく、制服フェチは広く一般市民権を得ている
比較的ポピュラーなフェチです。
ネット等で安価に手に入る事もあり、今では更に裾野が広がっています。
あー、あと、もっとマニアックな所で言えば中古制服が売り買いされたり
制服に何か白いモノをかけたりして楽しむ趣向もあるみたいですね。」
そこに青日下がすかさずに叫んだ。
「スペルマだ!!
表現をボカすんじゃない、暗部ちゃん!!
ちゃんと言わなきゃみんな、白いモノって何?
暗部ちゃんのオリモノかな?って思っちゃうじゃん!!ブッ!!」
言い終わらないくらいでリリアーヌの強烈なキックがボディに入る。
青日下はたまらず仰向けに倒れ込み、虫のようにバタバタとした。
リリアーヌが司会進行を引き継ぐ。
「征服フェチはただ着てそれを愛でるだけでは無く、
シチュエーションも重要な要素だ。
大人になってからは中々実際の学校に入る事は出来んが、
仮想的に学校を模した空間で楽しんだり、な。」
そこへまた暗部が何気なくリリアーヌの心を抉る言葉を発した。
「私は去年まで制服を着ていたからその感覚がわからないけど、
そっか、リリアーヌさんは卒業からもう既に結構経ってるから、
大人になってからの事情がよくわかるんだぁ。」
「お”、い”、暗部~?
何でお前は無邪気にそういう残酷な事が言えるんだぁ~?」
リリアーヌの口元がわなわなと震え、目が血走っている。
暗部は『ごめんなさいっ!』と泣き笑いをしている。
そこへ青日下がまたブッ込んで来た。
「いや~、だけど制服脱糞ってさぁ~。」
すぐにその言葉をリリアーヌが阻止した。
「だ・か・ら、何でお前らはいつもそうなんだ?
制服脱糞なんてマニアックな内容は、かなり後半、
もう誰も講義を聞く者がいなくなってからでも良いだろう?
今回はまだ各論の二回目だ。
受講者を減らしたいのか?お前は~!!」
鬼の形相で目をツリ上げて言うリリアーヌに、さすがの青日下も
『ヒッ』と言って少し失禁して漏らしてしまったようだった。
そこへ村古木が戻り、「それと最後に・・・」と言い出した。
「全国各地の制服をコレクションするマニアもいるよ。
この心理は中々一言で表すのは難しいけど、もしかしたら
全国の制服を一堂に集める事によって『日本中の女子学生を
我が手の中に収めた』みたいな感覚になるのかもね。
まぁコレはまだ80着くらいしか持って無いボクでは、
ちょっとわからない感覚だね。」
暗部が驚いて言った。
「え”、80着!?
それでまだ感覚がわからないとか、じゃあ一体何着持っていたら
一人前の制服コレクターと言えるのよ。」
「ん~、小中高だけでもザッと5万校近くあるワケだし、
せめて1000着は持っていないとカッコ悪いよね。」
「いや、そもそも自分が通ったワケでも無い学校の制服を
1着でも持ってる事が別にカッコ良くは無いのだけど・・・。」
こうしてまた変態学講座はカオスの中でぐちゃぐちゃになり、
やがて終講の鐘の音が聞こえて来るのだった。




