第9話
「ここがナカラ、不思議な感覚ね。屋内に居るはずなのに青い空が見えるなんて」
「おぉ〜、本当に空がある!」
「……!」
鉱山都市ナカラにたどり着いた一行はコテナ号を停めて、街の散策に出ている。
「もしかして、旅の方ですか?」
空を物珍しそうに眺める三人に現地の人と思わしき男性が話しかける。
「えぇ、仕事で来たのよ」
「なら良いときに来ましたね。明日、祭りがあるんですよ」
「祭り?」
「はい。今年の鉱山の安全を祈って、みたいな感じのありがちのゆるいお祭りですよ」
「それはいいわね。ノア、ベラ、参加していく?」
「う〜ん」
「ノア? 口を尖らせてどうしたの?」
「鉱山ってさ、なんかこうピッケル持った屈強な男の人ばっかみたいなイメージだったんだけど、違うんだね」
「あはは、そんなの古典の世界ですよ。実際鉱物を採るのは機械ですから」
男性がノアの疑問に答える。
「そうなんだ。なんか残念」
男性と別れ、街の散策も終えた一行はそろそろ仕事に移ろうとコテナ号に戻ってきた。
「ノア、結局明日のお祭りには行くの?」
「うん、ベラも行きたがってるから」
「……!」
ベラは目を輝かせて首を振る。
「そう。なら、ここでの用事はとっとと終わらせなきゃね」
「うん!」
装備を整え、ノアとベラは再び街に繰り出した。通信で隊長が話す。
『目標地点、てっきり街の離れた所かと思ってたけど、座標を見る限り人で賑わっている所みたいね』
「そうなの? なんか変だね」
「……」
『そうね。あのシャリアが依頼主だからなにが起きてもおかしくないわ。警戒しておきなさい』
「りょ〜かい!」
「……!」
―――
「なんにもないけど」
『ん~、おかしいわね。座標はあっているはずなんだけど』
ノアとベラは何事もなく目標地点にたどり着いたが、特に異常は見当たらない。むしろ銃を携帯している二人を見て周囲の人がざわついている。
「お騒がせしてすみませ~ん。怪しい者じゃないです~」
「……」
『……なにもないなら一度帰ってきなさい。こっちで依頼主ことシャリアにどういうことか聞いてみるわ』
「分かった。そうするって、えっ!」
「……!」
ドカーン! ノアが隊長に返事をした瞬間、遠くに見えていた採掘用の大型機械が爆発した。ノアたちのいるところまで風圧が届くほどの大きな爆発だ。
「ちょっと! なに今の!?」
「……!!!」
『……どうやら採掘現場が襲撃を受けたらしいわ。あまり考えたくないけどタイミングからして……』
「依頼関連?」
『かもしれないわ。警戒しなさい』
「了解」
「……」
周りの人が走って逃げていくなか、二人は背中を合わせて周囲を警戒する。そんな中、知らない女の声が響く。
「目標確認。あれ、殺しちゃっていいんでしょ? いいのね? アハハ! じゃあ、どっかーん!」
「ベラ、上!」
「……!」
ベラが空中に投げられた手榴弾を打ち抜く。周囲の建物を巻き込んで爆発する。
「ちっ! 運がいいわね~」
女かビルの屋上から飛び降りて二人の前に姿を見せる。二人は女に銃口を見せながら聞く。
「あんた、何者!?」
「あたし? あたしはポーン!! コードネーム、ポーンよ!! アハハ!」




