第10話
「あたし? あたしはポーン!! コードネーム、ポーンよ!! アハハ!」
「隊長、こいつ敵だよね?」
『ええ、依頼情報が更新されたわ。目標、ポーンの撃破! 二人とも、任せたわよ!』
「了解!」
「……!」
「な~に楽しそうに話してんのよ!」
話し終わると同時にポーンは一気にノアの目の前まで距離を詰める。
「ちょっ、こいつ速っ!」
「……!」
ベラがポーンを横から撃って引きはがす。ポーンは勢いで吹き飛ばされるも、彼女の体には傷一つない。
「こいつ、なんか変だよ! こないだのシャリアみたいな感じがする!」
ノアの言葉に同意し、ベラが首を振る。
『確かに変ね。ベラの攻撃を受けても傷一つないなんて。並の装甲してないわよ』
「そ~れは、あたしが特別製だから! アンタたちとは違うのよ!」
(当然のように通信も傍受されてるわね。面倒な……)
「……」
「ん? アンタ、あのおしゃべり女は?」
ポーンが起き上がるとそこにはベラしか居ない。ノアはすでに離れている。
「まあいいわ。アイツがいるとあたしのかわいい声がよく聞こえないものね。で、アンタは? しゃべんないの?」
「……」
「……もしかして、しゃべれないの? あはは、かっわいそうね! 全然そうは思わないけど!」
ノアにしたようにポーンが距離を詰めるも、ベラは反応して反撃する。
「アンタ、あの女よりやるじゃない!」
「……!」
ベラは後ろに下がりながら銃を撃ち続ける。リロードのタイミングはノアがポーンに見えない位置からカバーする。
「ちっ、邪魔ね!」
「……」
いくら硬い装甲といえども、何発も銃弾を受け続けたポーンの身体は少しずつ傷つき始める。だが、一瞬金属音がしたかと思えば、ベラが壁まで吹き飛ばされる。
「ベラ!」
「やっぱアンタから先に潰すわ!」
「なんでバレて!?」
地上にいたはずのポーンは気づかぬうちに、横のビルの三階にいたノアの後ろを取っている。その上、ポーンの足は異様な形に変形している。
「ごほっ!」
「吹き飛びなさい!」
その足で蹴り飛ばされ、壁を突き破りノアは地面に落下した。
『ノア! ベラ!』
「生きてま~す。めちゃくちゃ痛いけど」
「……!」
隊長が二人の無事を確認する。
「アンタたちもかったいわね~。普通の人間なら死んでるわよ?」
「あいにく義体だからね。それに、あんたも義体でしょ?」
「……」
「けどアンタたちみたいに時代遅れの第二世代じゃないの!」
ポーンの言葉に二人よりも隊長が即座に反応する。
『……ポーン、だったかしら? 今のはどういう意味なのかしら、第二世代が最新の武装のはずでしょう?』
「見えないの? 私の体、ただの第二世代とは違うでしょ?」
先ほど変形したポーンの足を見て隊長は考える。
(確かにただの第二世代じゃないわね。機械部分が体の外に露出している。これは第二世代じゃなくてどちらかというと第一世代の……)
『もしかして体の中の武装と露出した武装が一体化しているの? そんなの聞いたことないわ』
「あたしのご主人はこう言っていたわよ。第三世代、だって」
『……』




