第11話
「あたしのご主人はこう言っていたわよ。第三世代だって」
『……そう』
ポーンは自分の方が優れているのだと笑って話す。が、
『あ~、二人とも? そいつ、解析するから持ってきてちょうだい』
「了解!」
「……!」
「あたしの方が強いって言ってあげてるのに、なんで分かんないの?」
『悪いわね。私の部下はそんな軟弱者じゃないのよ』
「うざっ、そんなに死にたいなら本気でやってあげる!」
ポーンの言葉を遮るようにベラが銃を撃つ。ポーンはベラの肩越しに背中を向けて駆けていくノアを見る。
「結局逃げてんじゃないのよ!」
「……」
ポーンはノアを追いかけようとするが、ベラに邪魔されて動けずにいる。しかし、リロードのタイミングになってもノアの援護はない。
「ははっ、アンタ見捨てられたのよ!」
ポーンはベラを蹴飛ばし、仰向けに横になったベラの上に片足を乗せる。
「なによ、たいしたことないじゃない。アイツは気をつけろって言ってたけど、そんな忠告要らなかったわね~」
「……」
早くも勝利宣言をするポーン。しかし、ベラは彼女に向けてあるものを見せびらかすように見せる。手榴弾だ。
「まずっ!」
思わず足を退けるが、逃げる前に手榴弾はさく裂した。だが、
「煙幕……? まさか、本当に逃げるつもり?」
煙幕が晴れるとすでにそこにベラの姿はない。
「やるじゃない。けど、詰めが甘いわ。残ってるわよ、足跡」
ポーンの言うように地面にはベラの足跡が分かりやすく残されている。ポーンはこの跡をたどって走り出した。
―――
「ああいうバカばっかだと世の中もっと良くなるわ~!」
「……ホントにね」
「……!」
「えっ」
ズザ~っと地面をこする音が聞こえる。ポーンは派手に転び、前から地面に突っ伏した。
「まっさかこんな簡単な罠に引っかかるなんて思ってなかったよ。ありがとね」
「……」
ベラもポーンに向かって手を合わせる。
「な、なにをしたの!」
「え~簡単だよ~、逃げるふりしてわざと足跡を残して」
『そのあとはいい感じの所で、ロープを張って待ってただけよ。あなた、相当足に自信があるみたいだし、走ってきてくれるだろうと思ったのよ。ね? 二人とも』
「……!」
「にしてもあんなきれいに引っかかるとは思ってなかったけどね~、もう少し頭使ったら? おバカさん、ぷぷぷ」
「うざっ!」
―――
「というわけで拘束完了~!」
『じゃあそのままコテナ号まで連れてきて。いろいろと調べたいことがあるのよ』
「了解!」
「……!」
二人はポーンを持ち上げる。だが、その時地面にカランと音を立てて何かが落ちる。
「ん? って、閃光手榴弾!?」
キーン! 世界が白色に染まる。目を開いたとき、既にそこにポーンの姿はなかった。
「や、やられたー!」
「……」




