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第8話

「おかえりなさい」


 コテナ号の操縦室にノアとベラが例の箱を持って入ってくる。二人とも、シャリアとの対峙で見た目以上に疲労している。


「ただいま、隊長」

「……」


 そんな状況でもノアは隊長に笑顔を見せ、ベラも元気に首を振る。


「ごめんなさい。私が偵察に行こうなんて言ってしまったから、面倒なことに巻き込まれてしまったわね」

「いや、隊長。最初に依頼を受けようって言ったのは私だから。悪いのは、私だよ」


 珍しく反省しているノアを見て、隊長はなんとか励まそうとする。


「じゃあ、この面倒ごとをとっとと終わらせて、今度こそ皆で美味しいお酒でも買いに行きましょう?」

「……いぇーい!」

「……!」


―――


 しばらくして、ノアとベラの義体の修理を終えた後、三人は共に操縦室に戻ってきた。


「隊長、結局あの依頼はどうするの?」

「……?」

「まぁ、シャリアにああ言われた以上、やるしかないわね。ただ……」


「ただ?」

「色々と面倒くさそうよねぇ〜」

「なんか適当じゃない? 隊長?」

「な〜んにも分かんないもの。シャリアが信用できるのか、依頼は安全なのか、あの箱の中身は何なのか」


「確かにそうだけどさぁ〜」

「でしょ? さて、箱の解析完了まであと何時間? 今はそれが気になるわ」

「えっとね~。ベラ、見てみて〜」


 ベラが端末を取り出して確認すると、ベラの顔が青ざめる。その様子を見て隊長とノアも横から端末を覗き込む。


「あと335時間と43分、って書いてある。…やばくない?」

「に、二週間? うそでしょ?」


 予想もしていなかった数字を見て操縦室に重い空気が流れる。そんな中、隊長が一番に口を開く。


「め、めんどくさ……!」


―――


 あれから半日ほど経った。隊長達はシャリアから目標座標を受け取り、コテナ号を走らせている。


「いつもより速く走らせているとはいえ、結構すぐ着いたわね。鉱山都市ナカラ!」

「ここはなにがある所なの?」

「ノア、あなた私があげた資料読んでないわね?」


「ごめ〜ん。けど、それはベラもだから」

「……」

「まったく、あなたたちってば……」


 揃って予習していない二人のために隊長が今回の目的地の軽い説明を始める。


「ここ、鉱山都市ナカラはその名の通り鉱山の中にある都市よ」

「え、危なくないの、それ! ほら、崩れちゃうじゃん!」


「それが不思議なことに危なくないらしいわ。どういう技術なのかは分からないけど崩落を防ぐ技術があるらしいのよ」

「へ〜、すごいね!」

「……!」


「それと、これまたどういう技術かは分からないけど昼と夜を再現できるらしいわ。

 あと、詳しい事は分からないけど、あなたたちの義体に使われている金属もここで採れるらしいわよ」

「……隊長も全然よく分かってないじゃん」

「……」

「難しいのよ! それに、行ったら大体分かるわよ、多分」


 インテリぶっておきながら、実はよく分かっていない隊長の説明を聞いて、彼女たちは第一の目的地鉱山都市ナカラへと到着した。

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