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星脈のほとりで、俺たちは気づいた  作者: pokupi
第3章:「星冠の塔にて」
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第71話 助けられないかもしれません

 楓は光の球に向けて鑑定を発動した。

 上層から始めた。1つ目の球。生命力の数値が返ってきた。低かった。でもまだあった。次の球。また次の球。上層の人たちはまだ生命力が残っていた。意識がないだけで、身体はまだ人の形をしていた。

 下層へ目を向けた。

 鑑定をかけた。数値が下がっていた。さらに下へ。また下がった。下層へ行くほど、生命力の数値が低くなっていった。楓の表情が少しずつ硬くなっていった。


 ⸻


 最下層に鑑定をかけた。

 数値が返ってきた。

 ほぼ、残っていなかった。

 楓は画面を見つめたまま動けなかった。最下層の人たちは身体が淡く光に溶けかけていた。生命力がほぼゼロに近かった。もう死ぬ寸前だった。

 手が震えた。

 鑑定をかけ続けた。結果は変わらなかった。何度確認しても、同じだった。


 ⸻


「上の方の人たちはまだ生命力が残っています」

 楓は震える声で言った。

「でも下に行くほど……最下層の人たちは、もう……死ぬ寸前です」

 澪が口を開いた。

「全員は……」

「……助けられないかもしれません」

 言葉が落ちた。

 誰も何も言わなかった。光の球が静かに浮かんでいた。誰も声を発しなかった。ただ静かに、消費され続けていた。

 瑠奈が下層を見つめたまま動かなかった。澪が唇を噛んでいた。零司が光の球を見上げたまま黙っていた。

 楓はもう一度最下層に鑑定をかけた。数値は変わらなかった。


 ⸻


 沈黙が続いた。

 でも誰も動きを止めなかった。足が止まっていても、頭は動いていた。

 零司が口を開いた。

「全員は助けられないかもしれない。でも」

 続きを言わなかった。でも全員が聞いていた。

 楓は零司を見た。零司はまだ光の球を見上げていた。何かを考えていた。その目が、ルーヴェ村にいた頃から変わらない、静かに物事を見る目だった。

 次へ進まなければならなかった。

 四人は前を向いた。

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