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星脈のほとりで、俺たちは気づいた  作者: pokupi
第3章:「星冠の塔にて」
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第70話 あと少しで、自分たちもあそこにいた

 澪は上を見上げた。

 一番上の層に、光の球が並んでいた。他の層より新しい光だった。中にいる者たちの輪郭がはっきりしていた。

 装備に見覚えがあった。

 今日、儀式でゲートをくぐった者たちだった。自分たちと同じグループで召喚された者たちだった。顔は見えなかった。でも装備の形、服装の色、それだけで分かった。

 あと少しで、自分たちもあそこにいた。

 その事実が、静かに胸に落ちてきた。


 ⸻


 下層へ目を向けた。

 光の球が続いていた。上層より古い光だった。中にいる者たちの輪郭が、少しずつぼやけていた。さらに下へ、また下へ。どこまでも続いていた。

 名前も顔も分からない誰かたちが、静かに眠っていた。

 王都神殿地下で見た記録が頭に浮かんだ。選別という文字が並んでいた。レベル、魔力量、生命力。数字と名前が並んでいた。

 あの記録に名前があった誰かが、ここにいるのかもしれなかった。

 確かめる方法がなかった。でも否定もできなかった。


 ⸻


 私たちも、いずれこうなるはずだった。

 その言葉が、頭の中で繰り返された。これまでの旅の中で感じてきた違和感、積み重ねてきた疑念、どれよりも重くのしかかってきた。

 零司はこの空間全体を見渡したまま動かなかった。楓が光の球に鑑定をかけ続けていた。瑠奈が魔力の流れを感じ取りながら黙っていた。

 それぞれが、この光景を受け止めようとしていた。

 受け止めきれるものではなかった。でも受け止めるしかなかった。


 ⸻


 澪は息を吐いた。

 ここで立ち止まっている時間はなかった。先生の力が保つ時間は限られていた。衝撃を受け止めながら、同時に次を考えなければならなかった。

「零司、行きましょう。時間がない」

 零司が澪を見た。

「……ああ」

 頷いた。

 四人は前へ進んだ。

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