第63話 選別という文字があった
光が収まった。
石造りの通路だった。地下神殿とは違う空気だった。装飾が何もなかった。壁に術式が刻まれていて、青白い光を放っていた。天井が高く、通路が真っ直ぐ続いていた。
「皆、無事か」
「はい」
「大丈夫」
「うん」
三人の声を確認した。全員いた。
どこに来たのか分からなかった。でも追っ手が来る前に動かなければならなかった。
「上へ行こう」
零司が言った。瑠奈が頷いた。
「魔力の流れが……上に向かってる」
楓がマッピングを展開した。施設の構造が少しずつ画面に現れてきた。通路の先に階段があった。
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階段を昇り始めた。
一段昇るごとに、壁の術式の光が濃くなっていった。魔力の流れが強まっていくのを瑠奈が感じ取っていた。
「上に行くほど濃くなってる」
瑠奈が小声で言った。
澪が後ろを確認しながら昇った。楓がマッピングを更新し続けた。零司は足音を立てないように慎重に進んだ。
途中の踊り場に扉があった。澪が気配を探った。
「人はいないみたい」
零司が扉を開けた。
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棚が並んでいた。
管理施設のような区画だった。棚には記録が整然と並んでいた。零司は足を止めて棚を見た。
表紙に図が描かれていた。五芒星だった。
隣の記録を見た。5つの村の名前が並んでいた。ルーヴェ村の名前もあった。その隣には歴代召喚者の記録らしきものが並んでいた。
一冊を手に取って開いた。数字と名前が並んでいた。レベル、魔力量、生命力。そして最後の欄に、選別という文字があった。
これまでの違和感が、一気に輪郭を持ち始めた。
「零司、時間がない」
澪が小声で言った。足音が下から聞こえてきた。
零司はその記録を一冊だけ手に取った。四人は扉を閉めて、また階段へ戻った。
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さらに昇った。
階段が続いた。昇るたびに術式の光が増した。壁全体が光っているようだった。魔力の濃さが肌に感じられるほどになってきた。
「すごく濃い」
瑠奈が呟いた。
最上階に続く扉が見えてきた。扉の縁から、強い光が漏れていた。
零司は扉に手をかけた。
押した。
光が溢れ出した。




