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星脈のほとりで、俺たちは気づいた  作者: pokupi
第3章:「星冠の塔にて」
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第57話 集まってる感じ

 朝から街へ出た。

 王都の商業区は広かった。道の両側に店が並んで、行き交う人の流れが途切れなかった。魔道具の明かりが昼間でも灯っていて、給水設備が至る所に設置されていた。

 瑠奈は歩きながら、街を観察した。

 魔道具の密度が、ルーヴェ村やアルヴェナとは比べものにならなかった。街全体に魔力が満ちているような感覚があった。豊かだった。でもこれだけの魔力が、どこから来るのかという疑問が浮かんだ。

 ルーヴェ村からアルヴェナ、そして王都。来るたびに魔道具の密度が上がって、魔力の濃さが増していた。

 絶対何か作られたルールで動いている。その確信が、また浮かんできた。

 

 ⸻

 

 神殿の広場へ向かった。

 広場に近づくにつれて、何かが変わった。

 魔力の流れが、他の場所と違った。商業区では街全体に均一に広がっていた魔力が、神殿の方向へ向かって流れていた。目には見えない。でも感じた。肌に触れる空気が、わずかに違った。

 神殿の前に立って、床を見た。石畳の継ぎ目に、うっすらと何かが刻まれていた。魔法陣の一部のような模様だった。普通に歩いていたら気づかなかった。

 儀式の準備をしている神官たちが行き来していた。その動きを目で追いながら、瑠奈は考えた。

 これまで感じてきた違和感の中で、今感じているものが一番強かった。ルーヴェ村のダンジョンに似た感覚だった。あそこも、何かが集まっていた。

 

 ⸻

 

 広場を離れて歩いていると、前から零司が来た。

「零司」

 声をかけると、零司が顔を上げた。

「瑠奈、一人か」

「うん。零司も?」

「俺も」

 二人で並んで歩いた。

「零司、神殿の周りって魔力の流れが違うと思わない?」

「どういう感じに?」

「なんか……集まってる感じ。ルーヴェ村のダンジョンに似てる気がする」

 零司が少し黙った。

「……そうか」

「儀式、なんか嫌な感じがする」

「……うん」

 零司も同じことを感じているようだった。でも二人とも、それ以上の言葉が出てこなかった。

 歩きながら、瑠奈はそっと零司の手を取った。

「こうしてると落ち着く」

 零司がその手をしっかり握り返した。二人はそのまま、しばらく黙って歩いた。

 

 ⸻

 

 零司と別れて、一人で神殿を振り返った。

 白い建物が青空の中に聳えていた。その下に、魔力が集まっていた。作られたルールがここに集約されている気がした。

 儀式の当日、何かが分かるかもしれない。

 でもそれが何なのか、まだ言葉にならなかった。瑠奈は神殿を見上げたまま、しばらくその場に立っていた。

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