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星脈のほとりで、俺たちは気づいた  作者: pokupi
第2章:「星渡りの街に満ちる違和感」
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第48話 零司、暖かい

 今回のダンジョン攻略は三泊になった。今までは長くても二泊だったから、一日多かった。

 今日のダンジョンはとても順調だった。特に瑠奈の頑張りが目立っていた。魔法の精度が上がっていて、範囲も広くなっていた。

 ダンジョンを出て野営の準備をしながら、瑠奈はずっとニコニコしていた。食事の準備をしている間も、食べている間も、片付けている間も、ずっとニコニコしていた。

 楓と澪が顔を合わせた。二人同時にため息をついた。楓は少し複雑な顔で、澪は諦めたような顔だった。

 

 ⸻

 

 夜も深まった頃、テントの外で気配がした。

「零司、入れて」

 瑠奈の声だった。九十九は慌ててテントの入口を開けた。瑠奈が素早く中へ入った。

「零司、ここに来た意味わかるでしょ。私も手伝うから」

 九十九は複雑な顔をしたまま、少しの間黙っていた。

 それからそっと、瑠奈を抱きしめた。

 小さな体だった。大柄ではない九十九の腕の中に、すっぽりと収まった。

「零司、暖かい」

 瑠奈はそう言って、そっと目を閉じた。

 

 ⸻

 

「これで本当の意味で零司が初めての男になったよ」

 瑠奈が笑顔で言った。

「皆、なんでこんなに」

「皆困ってる零司を助けたいのだよ。私もだよ」

 瑠奈は少し考えるような顔をしてから、続けた。

「それにこういう世界に来ちゃったってのもあるのかな。もしかしたらみんな普通を装っていても、どこか不安があってこういうの求めちゃってるのかもね」

 冗談っぽく笑った。でもその言葉は、冗談だけではない気がした。

「これからもよろしくね、零司」

 そっと顔を寄せてきた。

 

 ⸻

 

 瑠奈が自分のテントへ戻った後、九十九は天井の布地を見ていた。

 楓、澪、瑠奈。三人とも、こちらが困っているのに手を差し伸べてくれた。他人が見たらうらやましい状況なのかもしれない。

 でも九十九は、一杯一杯だった。

 これがハーレム王の能力なのか。もうこれ以上はないよな。そう思いながら、瑠奈の「こういう世界に来ちゃった」という言葉が頭に残っていた。

 普通を装っていても、どこか不安がある。

 それは、自分も同じだった。

 テントの外で、風が木の葉を揺らす音がした。

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