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星脈のほとりで、俺たちは気づいた  作者: pokupi
第2章:「星渡りの街に満ちる違和感」
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第39話 耳まで、真っ赤だった

 近くのダンジョンへ通い続けて、四人での戦闘にもだいぶ慣れてきた頃、難易度の高いダンジョンへ挑むことになった。

 街から離れているため、野営をしながらの攻略になる。野営道具と結界の魔道具を収納魔法に入れて準備した。結界の魔道具は魔物などの外敵を範囲内に入れない便利な道具で、一人一個ずつ持つ必要があった。この世界で野営するには必須の装備だった。

 現代人の四人は野営に不慣れだった。最初は一泊だけにして、慣れるごとに少しずつ日数を増やしていった。

 

 ⸻

 

 野営地はダンジョンから少し離れた開けた場所だった。

 女子三人がそれぞれテントを設営し始めた。3つとも近い場所に固まっていた。九十九は少し離れた場所にテントを張ろうとした。

「九十九くん、別に近くでもいいのよ」

 二階堂が顔を上げて言った。

「いや、大丈夫」

 九十九はそのまま少し離れた場所に設営した。それぞれが結界の魔道具を起動した。淡い光の膜が、それぞれのテントの周囲に広がった。

 

 ⸻

 

 夜遅く、デバイスにメッセージが届いた。

「起きてますか」

 一ノ瀬からだった。

「起きてる」

 返事を送ると、すぐに続きが来た。

「澪さんと瑠奈さんはもう寝たみたいなので、そっちに行きますよ」

「わかった」

 短く返した。

 しばらくして、テントの外で気配がした。九十九は急いで結界の隙間を調整して、一ノ瀬を中へ入れた。

 一人用のテントは狭かった。一ノ瀬が横に寝そべると、顔がすぐ近くにあった。九十九は気恥ずかしくて、上を向いた。

「どうしたのですか」

「安全のため領域鑑定を実行して寝てるのですが、動物か何かにも反応するようで起きちゃうんです……それでもし九十九くんが起きてればと思って」

 一ノ瀬の声は少し早口だった。

「ところでまたレベル上がってますね。ごめんなさい、勝手に鑑定使って……スキルが心配なので見させてもらいました。実は私もレベル上がったんですよね」

「そうなんだ」

「でもやっぱり、スキル増えてないですよね……大丈夫です、手伝いますから」

 一ノ瀬は静かに覆いかぶさってきた。

 

 ⸻

 

「えっ」

 終わった後、一ノ瀬が驚いた声を上げた。視界の端に通知が浮かんでいた。レベル譲渡が、また発動していた。

「ごめんなさい、手伝うつもりがレベル下げてしまって……」

「大丈夫」

 九十九は天井の布地を見ながら言った。

「たぶんこの時のためにレベル上がるの早いのだと思う。それにレベル下がっても強さほとんど変わってないから」

「ならよかった。新しいスキル取れそう?」

「まあなんとかな」

 一ノ瀬は少し笑ったような声を出した。

「また手伝うからね。二人に気づかれるといけないから戻るね」

 そっとテントを出ていった。

 

 ⸻

 

 その様子を、木の影から見ていた一人の女性がいた。

 長い黒髪が月明かりに照らされていた。

 耳まで、真っ赤だった。

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