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星脈のほとりで、俺たちは気づいた  作者: pokupi
第2章:「星渡りの街に満ちる違和感」
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第37話 また明日ね

 待ち合わせ場所に三人が先に来ていた。

 九十九は少し立ち止まってから、近づいた。

「九十九零司です……よろしくお願いします」

 自分でも分かるくらいぎこちなかった。

「大丈夫よ、高校も同じだったんだから顔も名前も分かるわ。今日からよろしくね」

 二階堂がさらりと言った。

「よろしく……」

 三上が小さく言った。視線が少し泳いでいた。

「じゃあ行きましょうか」

 一ノ瀬が前を向いた。四人で歩き始めた。

 

 ⸻

 

 街から比較的近いダンジョンだった。

 最初の魔物が現れた瞬間、二階堂が前に出た。銀の槍を構えて、迷いなく踏み込んだ。槍が弧を描いて魔物を弾いた。

 後方から乾いた音がした。一ノ瀬がマスケット銃を構えていた。魔法の弾が飛んで、別の個体に当たった。

「右から二体、うち一体は少し離れてる」

 一ノ瀬の声が飛んだ。二階堂が右へ動いた。三上が杖を持ち上げた。炎が走って、遠い方の個体が吹き飛んだ。

 九十九は前を見ながら、頭の中で整理した。

 二階堂が前衛。槍の間合いが広く、動きに無駄がない。一ノ瀬が後衛から支援。鑑定と行動予測で情報を流しながら銃で削る。三上がとどめ。火と水を状況に合わせて使い分けている。

 自分の出番はほとんどなかった。

 でも魔物が二階堂に向かっている間、横から別の個体が来た。九十九はそちらへ動いた。剣を構えると、魔物がそちらへ向いた。大した威力ではなかったが、引きつけることはできた。

 それだけで十分だった。

 

 ⸻

 

 通路の奥に小部屋を見つけた。一ノ瀬が鑑定をかけて魔物がいないことを確認してから四人で入った。扉を閉めて、その場に腰を下ろした。

 二階堂が壁に背中を預けながら言った。

「攻撃を受けてくれる人が増えて助かったわ」

「安心して支援できました」

 一ノ瀬が続けた。

「魔法に専念できた」

 三上が短く言った。

「……そうならよかった」

 九十九は床を見ながら答えた。

 攻撃スキルはない。でも能力は底上げされていた。無駄に高いレベルと、ハーレムメンバーの効果だった。一ノ瀬がいなければこうはならなかった。

 これならうまくやっていけるかもしれない。そう思った。でもこの先どうなるかは、まだ分からなかった。

 

 ⸻

 

 ダンジョンを出ると、夕方の光が差していた。

 四人で並んで街へ向かった。二階堂と三上が少し前を歩いて、九十九と一ノ瀬がその後ろだった。特に話すことはなかったが、静かだった。

 宿屋の前で四人が止まった。

「今日はありがとう。すごく助かったわ、これからもよろしくね」

 二階堂が言った。

「九十九くん、また明日ね」

 一ノ瀬が言った。

「またね……」

 三上が小さく言った。

 九十九は頷いた。三人が宿屋へ入っていった。

 夕方の通りに人が行き交っていた。四人で歩いた帰り道の感触が、まだ足の裏に残っていた。

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