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星脈のほとりで、俺たちは気づいた  作者: pokupi
第2章:「星渡りの街に満ちる違和感」
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第35話 守っているのか、縛っているのか

 商業区の門を出たところで、後ろから声がかかった。

「あ、委員長たちじゃん」

 振り返った。見覚えのある顔だった。ルーヴェ村のダンジョンで絡んできた男子学生たちだった。

「この前はごめんね。あんなことになるとは思わなくて」

 口では謝っていた。でも顔はニヤニヤしたままだった。

「私たち三人で行くから」

 二階堂が前を向いたまま答えて、歩き続けた。楓と瑠奈もそれに続いた。

 

 ⸻

 

 男子学生たちもついてきた。

「ここの魔物強くなって俺達困ってるんだよね」

 全く困った様子はなかった。視線が楓に向いていた。

「一ノ瀬ちゃん、俺達も助けてよ。九十九ばっかりじゃなくて俺達にも優しくしてよ」

 距離が縮まってきた。楓はルーヴェ村での出来事が頭をよぎった。あの時と同じだった。足が一歩後退りした。顔から血の気が引いていくのが分かった。

 男の手が伸びてきた。

 光が弾けた。

 男子学生たちが消えた。

 楓はしばらくその場に立ったまま、息を整えた。胸に手を当てた。心臓がまだ速かった。

「またここでも発動するのね」

 二階堂が静かに言った。

「しつこいよね、あの人たち」

 瑠奈が吐き捨てるように言った。

 

 ⸻

 

 三人はそのまま歩き続けた。少しの間、誰も何も言わなかった。

 二階堂が楓の方を見た。

「楓は九十九くんと仲いいの?同じ学部だし、高校の時も同じ委員会だったよね」

「そんなのじゃ……ただ九十九くんはいつも一人だから」

 二階堂は少し考えるような間を置いた。

「なら、いっそのこと九十九くんも一緒に行動するのはどう?変に絡まれることもなくなると思うし、悪い人じゃないしね」

 瑠奈が振り返った。

「楓ちゃんの友達なら大丈夫」

「友達じゃ……」

「なら決まりね」

 二階堂が遮った。

「楓、九十九くんに連絡してね」

「うん……わかった」

 

 ⸻

 

 楓は魔道デバイスを取り出した。握ったまま、しばらく動けなかった。

 一緒に行動する。それはいいことのはずだった。でも何かが胸の奥に引っかかっていた。何がと聞かれても、うまく答えられなかった。

 デバイスの画面を開いた。九十九の連絡先を出した。また止まった。

 文字を打ち始めた。

 

 ⸻

 

 楓が連絡を打ち始めるのを横目で見ながら、二階堂は別のことを考えていた。

 安全管理機構。召喚者同士の争いができない。村人に危害を加えられない。それは分かっていた。でも今日の場面を思い返すと、引っかかるものがあった。

 もし拘束されそうになっても、反撃できないのではないか。

 安全のためという名目で、別の目的があるのではないか。

 守っているのか、縛っているのか。

 ダンジョンの入口が見えてきた。二階堂は前を向いた。今はそれ以上考えないようにした。

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