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両親は悪役貴族、娘の私は悪役令嬢…よね?  作者: 葦原 さくら
第六章
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湖の畔で02

駆け抜けるスターリンの姿は、本当に楽しそうで。

スターダムもスターリン程ではなくても、楽しそうで遠乗りに出掛けて良かったと思った。

……あれは、リリアではない?

私の姿を見付け、嬉しそうに此方に駆け寄ってくる姿は、まさに年相応だけど……。

お嬢様っぽくなくて、私は好感を持てる。

中身が中身なだけにね。

……それでも、あの時の事があるから用心は怠らない。


「アリス様、こんにちは」


「こんにちは、リリア。今日はどうして此処に?」


リリアは顔は笑ってるけど、目は笑っていない状態で……。


「此処に来たら、アリス様にお会いできるような気がしたんです。やっぱり、来て良かったです」


……なんか、怖いぞ。

目だけ笑ってない、リリアの顔を見たから……なのかしら。

私の背筋がゾッとしたのが伝わったのか、アーノルドがスッと私とリリアの間に入った。


「お嬢様、失礼致します。来たばかりではありますが、そろそろお帰りにならないと家庭教師の先生に怒られてしまいます。ご準備を」


ナイスよ、アーノルド!

今日は家庭教師の先生来ない日だけど、リリアとは居ちゃいけない気がするもん。


「あれ?今日は家庭教師の方は来ない日じゃなかったですか?」


首を傾げて尋ねるリリアに、私は顔から血の気が引いた気がした。

--何故貴女が知っているのだ、と。

声を大にして叫びたい衝動をなんとか抑え、たまたま変更になったと伝えてスターリンに跨がり馬上から。


「それではリリア、私は帰るわね。貴女もそろそろ帰った方が良いんじゃなくて?」


「アリス様が帰られるなら、此処に居る意味はないですから。それではアリス様、また……」


そう言ったリリアの顔は、さっきと同じ表情で。

ただただ、恐怖でしかなかった。


「--アリス様、リリア嬢とはくれぐれも二人きりなどにはなられませんように。なにが起こるかわかりませんから」


「えぇ、勿論よ。あの顔を見たら、怖くてなりたくもないわ」


本音がポロリ。

此処にはアーノルドしか居ないから、本音を言っても困らない。

聞かれて困るような事は言ってないつもりだしね。


「帰りましょう、アーノルド。帰ったら、シャノンに話さなきゃ……」


「シャノンさんは知っていらっしゃったんですね、あのリリア嬢を」


前に会った時はそんなに思わなかったけど、今日のはヤバい。

リリアがリリアでないと、思うくらいには。

……まさか、本当に?

いや、異世界だからって、そんなのある別けないじゃない。

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