正式な婚約05
お茶会が終わり、クラウス様は挨拶をなさっている。
私は近くに居た熟年の執事に紅茶を頼み、お菓子を楽しんでいた。
クラウス様からも許可を貰っているから、二・三個程ケーキを食べている。
ヤバイ、このモンブラン美味しすぎる。
ショートケーキも美味しいけど、モンブランが美味しい!
モンブランが苦手だった私でも食べられるなんて、此処のパティシエは優秀ね。
クリームが私好みの甘さで、食べやすいサイズだからかな。
「――ルーテシア公爵令嬢様、お茶のご用意が出来ました」
私に声を掛けたのは、さっき紅茶を頼んだ熟年の執事だった。
「ありがとう。…どうかなさったのですか?」
紅茶を受け取ったにも関わらず、まだ側に居た執事にそう尋ねる。
「…アリスお嬢様で、合っていらっしゃいますか?」
「私がアリスで間違いありません。どうして私の名前を?」
この熟年の執事は、私の事を国王様から聞いたのだと言って、私を心配してくれて居たのだとか。
この熟年の執事、信用出来るかも。
「ありがとう。…このロイヤルミルクティー、貴方が淹れてくれたの??」
「はい。お口に合いませんでしたか?」
合わないのではない。
ミルクティーが苦手だった私が飲めてしまったのに、かなり驚いた。
「私、今までミルクティーが苦手だったの。でも、貴方の淹れてくれたロイヤルミルクティーは美味しくて、何杯でも飲めそうだから驚いてしまって。美味しい紅茶をありがとう。おかわりを貰えますか?」
「それは大変申し訳ありませんでした。ですが、そう言って頂けて嬉しいです。すぐご用意致します」
熟年の執事は私に頭を下げて、行ってしまった。
マカロンも美味しい。
でも、サラが作ったお菓子が恋しい。
一日に一度は食べないと、落ち着かない程にサラのお菓子が大好きだから。
(…もう帰っちゃおうかしら?)
クッキーを食べていると、あの!と声を掛けられた。
クッキーを楽しんでいたのに、誰よ。
振り返ると、さっき助けたリリアが居て驚いた。
「リリア?貴女も令嬢だったのね」
「はい。フィーリア伯爵家の娘、リリア=ド=フィーリアです」
「先程は挨拶もせずに、ゴメンなさいね。ルーテシア公爵家の娘、アリス=ド=ルーテシアです」
「因みに、僕の婚約者だよ」
急に肩を抱かれ、抱き寄せられたと思ったら。
いつの間にか居なくなっていたけど、今戻ってきてたのね、クラウス様。
クラウス様は笑顔を貼り付けて、リリアに挨拶をしていた。
…どうしたのかしら?




