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両親は悪役貴族、娘の私は悪役令嬢…よね?  作者: 葦原 さくら
第三章
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閑話 アリスの為ならば

アリスとの婚約を望んだのは、最終的には僕の方だ。

僕は彼女を望んだ、その事に後悔など少しもない。

そう、僕にはそうなんだけど…。

アリスには、そうではないらしい。

自分の事を守ってと言う事は、アリスの事は放っておけと言っているように聞こえた。

大丈夫とは言っていても、そんなな訳がないじゃないか。

僕と君は同い年なんだから。

君は時々、背伸びをした事を言う。

其処もひっくるめてアリスだとわかっている。

でも、僕には頼ってほしいんだ。

周りの大人や兄弟に頼れない時、些細な事でもなんでも。


「アインハルトは、ヒューズお兄様と同い年くらいですか?」

「そうですね、ヒューズ様とは同い年になります。アリス様、自分の事は良いので、クラウス様とお話なさっては如何でしょうか?自分はお茶の用意をして参ります」

「本当?なら、ハーブティーを用意してくれませんか?お兄様なら、アリスの好みをわかってくれてますよね?」


任せろと言って部屋から出ていくレオナルドと、その後を苦笑しながら付いていくアインハルト。

アインハルトとフリードが兄弟だったとは、アリスも知らなかったんだ。

二回しか会ってないから仕方ないけど、フリードがあの状態だからね。

…とは言え、アインハルトも信用できるかと言えば微妙だな。

アリスはアインハルトを気に入ったのか仲良くしたいらしいけど…。

レオナルドが許すくらいなら、其処までは警戒しなくても良いのかもしれない。

油断は出来ないけど、この城では僕がアリスを守らなきゃいけないんだ。


「クラウス様、大丈夫ですか?」


考え事をしてしまっていたから、アリスが側に来ていた事すら気付けなかった。

アリスの右手が僕の左頬に、優しく触れた。


「お疲れなのではありませんか?噂のせいであまり休まれて居ないと、ヒューズお兄様から聞きました」


王族直属の騎士団に配属される事が決まっていたから、見学に来ていたのは聞いていた。

挨拶もしに来てくれたけど、其処まで知っていたとは…。


「まさか、アリスに話してしまうとは思わなかったよ。僕がしたくてしている事だからね。…まだ時間は掛かると思う。でも必ず、噂の根元を見付けてみせるから。ーーそれまで、待っててくれる?」

「いくらでも待ちます。けれど、お身体に障るような探し方はしないで下さいね?」


…あぁ、アリス。 君は本当に優しい子なんだね。

そのアリスを悲しませる者は、何者でも許さない。

必ず見付けてみせるよ、君の笑顔の為にも。

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