可愛い妹06
クリス様を抱っこさせて貰い、お城の客間に通して貰った。
クラウス様は、私に付いてくれている。
心ない噂を聞いている貴族やメイド、執事等から守るかのように。
「アリス、こんな所に居たのか。探したぞ」
「レオお兄様」
案内人の若い執事は、お兄様の知り合いかしら?
このお城の執事は、熟練された者が多く、あまり若い人は見掛けない。
若くてもレオお兄様より年上は居ても、年下は見た事がない。
フリードリッヒも、レオお兄様と年が近いけど年上だった筈だもの。
…この若い執事は、ヒューズお兄様と同い年くらいに見えるわ。
「あぁ、アリス。彼はフリードリッヒの弟の、アインハルトだ。アインハルト、妹のアリスだ」
アインハルトさん。
タレ目かつり目かの違いがあるくらいで、容姿は兄であるフリードリッヒと良く似ている。
弟のアインハルトは、タレ目だけど。
其処が可愛らしいのかもしれない。
少し申し訳なさそうな顔で私を見るアインハルトは、兄の態度を知っているようだった。
「お兄様と、仲が良いのですか?」
「城では良く世話になっている。友人と言っても差し支えないだろうな」
あら、お兄様がそう言うのは珍しい。
そう思っても良い方なのね、きっと。
「いえ、僕みたいな者とレオナルド様の仲が良いなど。烏滸がましいにも程があります!」
「では、私と仲良くして下さいな!お兄様、良いでしょう?」
お兄様は笑顔で固まってしまった。
どっどうしたのかしら?
私、なにか変な事を言ったかしら?
「…アインハルト、アリスと仲良くしてやってくれ。兄のフリードリッヒと違って、お前は話のわかる奴だからな」
「お兄様、そんな言い方はいけません。クラウス様の前ですよ」
「良いんだよ、アリス。レオナルドの言う事が正しいからね。アインハルト、僕からも頼むよ。あの噂のせいで、アリスには友達が少ないんだ。良き理解者になってあげて。そう言えば、ルーイは元気かな?」
…クラウス様、ルーイを知っていたの?
其処に驚きを隠せないでいると、お兄様が代わりに説明してくれた。
「俺に付いて城に来たんだ。暫く見なかっただろう?」
「確かに、一ヶ月程見なかったとは思いますが。お兄様がルーイを独り占めしてたのですね」
「いや、独り占めではないんだがな…」
お城への出入りを許すなんて。お父様ってば、どう言うおつもりかしら。
ルーイには、お城での噂など耳に入れたくなかったのに。
…入ってしまってるでしょうね、彼の耳には。
困ったわ…。




