顔合わせ02
従兄弟や久し振りにお兄様たちと会い、話はそれぞれの婚約者の話に。
私はまだ早いだろうと思ってお菓子を食べていたら、伯父様がお父様に話し掛けていた。
「カロルよ、アリスの婚約者はまだ見付からぬのか?」
ぶふっ! …伯父様、なにを言ってるの。
私はまだ五歳よ? 婚約者なんてまだまだ早いわ。
「その事なんですがね、今皆が集まってるので発表させて頂きます。――娘のアリスは、この度第一王子のクラウス様とご婚約する事になりました」
(…なん…だと…!?)
王太子のクラウス様。
私と同い年よね、確か。
国王様の初めてのお子で、国からかなり期待されていると噂で聞いた。
…待って、私とクラウス様が婚約するのは良いけど、王太子妃になるの?
それさ、面倒じゃない?
いやほら、私みたいな女に王太子妃なんて務まる訳がない。
(お断りしたいのに、相手が国王だと出来ない…)
「アリス、明日の午後にクラウス様と顔合わせする事になっている。…お前たちもそのつもりでいておくれ」
いやいや、早すぎる展開に頭が付いていかない。
えっ、会うのが明日とか言いませんでしたか?
お父様、もっと前から教えてくれてたらボイコット出来たのに!
いや、教えて貰っててもそれは阻止されるよね。
お母様は嬉しそうにしていて、お兄様たちは複雑そうな顔で見ている。
お兄様たちからすれば、妹が嫁ぐことに反対はしないだろう。
でも、相手が王太子と言う権力を持ってるからね。
…あああ、自由な人生は五年で幕を閉じるのね。
さらば、我が青春…私は其処まで至ってはないけれど。
…なんでだろ、スティーブにめっちゃ見られてる。
スティーブに見られるような事はしてないのに、なんでそんなに見つめてくるの。
まるで、オモチャを取られるとでも言いたそうな顔じゃないの。
私はオモチャではないんだけどな、わかってるとは思うけど。
「お兄様方、これを機会に私と仲良くして下さいませんか?」
「いや、これを機会にってどういう意味だ」
私はお兄様たちと仲良くしたいのだと、率直に気持ちを伝えた。
「お兄様方は、アリスの事がお嫌いなのですか…?」
目にいっぱい涙を溜めて、お兄様たちを見る。
上のお兄様は無表情、真ん中のお兄様は目を逸らしてる、下のお兄様はオロオロしながら私をどう宥めようかと考えている。
その人の性格が現れてるわね。
その後、三人揃って大好きだと言われてしまい、照れながらお礼を言う事になった。
嫌われてなかったから良かったわ。




