従兄襲来07
お昼を食べ、ピアノのレッスンの時間も終わり、いつの間にかお茶の時間になっていた。
サラに自室に居る事を伝え、寛いでいる。
スティーブは既に、貸してある部屋に行ったわ。
一緒に居たくないからね。
「アリス様、お菓子持ってきましたよ」
「ありがとう、シャノン。一緒にどう?」
「あー、そうしたいのは山々なんですが、姉さんが怒るんですよ。――羨ましいって」
なんか言ったけど、私には小さくて聞こえなかった。
近くにいたルーイには聞こえてたみたいで、苦笑を漏らしている。
…なんて言ったの?
「あっ、そうだ。ルーイ、アリス様とお茶したら、姉さんの所に行くように。姉さんが探してたから」
あっ、私がお茶に誘ってしまったから。
…でも、お茶の準備も万端で、ルーイも動く気はないみたい。
それを見たシャノンも咎める事はなく、お茶をしてからサラの所に行けと言っているようだ。
「はいはい。シャノン兄、母ちゃんに伝言頼んで良い?」
「なに?」
「俺がアリス様とのお茶が終わるまで、暫く待っててって」
「…お前な、俺を売る気だな?」
そう言うシャノンに対し、ルーイは素知らぬ顔をする。
あぁ、だから可愛くないってシャノンはルーイの事を言うのね。
その理由がわかった途端、クスクスと笑いが溢れてしまった。
「ちょっと、アリス様?俺的には笑えないんですけど?姉さん、俺に怒るんですよ?」
ジトーっと此方を見るシャノンを宥め、そうだと閃いた事を伝える。
「なら、私から助け船をあげるわ。サラにこう伝えて。明日、お仕事の時間を少しだけ私に割いて、お茶をしませんか?って。私、一度はサラとお茶をしたかったの。でも、いつもの忙しそうで、中々誘えなくて残念に思ってたんだけど。サラの不満も解消されるし、私もお茶が出来るから、良いよね?」
「あぁ、母ちゃんの喜んだ顔が目に浮かぶ。…母ちゃん、メイド長じゃなければアリス様とお茶が出来るのに!って言ってたくらいですから」
そっそんなに私とお茶をしたいなんて…。
サラは大人だし、もう一人のお母様みたいだと思ってたけど…。
なんだか、可愛く思えてきちゃった。
話もそこそこに、私は思った事を二人に話す。
「ねぇ、二人はお父様の事…聞いてるわよね?」
「あの噂ですね。真実らしいですけど」
そうなのだ、私のお父様は、巷では“悪役貴族”なんて呼ばれている。
…でも、なんでなのかしら?
家ではとても優しい人なのに…。




