従兄襲来06
レッスンも終わり、昼食にもまだ時間がある事から書斎に足を運ぶ。
読書に集中しているスティーブを発見!
アーノルドは書斎の扉の前に控えていたんだけど、一人でスティーブは大丈夫だったのかしら?
「スティーブ様はお一人の方が落ち着かれるとかで、一時間程この状態です」
と言ってた。
私はあまり本は好きじゃない。
好きだけれど、お父様やお祖父様の読まれるような歴史や推理小説、政治の本などは読まない。
読むなら、恋愛小説とかで良いじゃない!
この間読んだ小説は、執事とお嬢様の恋のお話。
私と年が近いと言えば、ルーイくらい?
(結論、ないわ!)
一人で突っ込みを入れていると、スティーブと目が合った。
「あぁ、居たのかアリス」
いつの間にか読んでいた本から顔を上げ、きょとんとした顔で此方を見ている。
少し前から居ましたとも。
凄い集中力、全然気付いてなかったな。
「なにを読んでいらっしゃるのですか?」
「アリスには難しい本だな。簡単に言えば、政治の本だ」
うん、それを聞いただけでもう無理。
お兄様たちも読んではいたけれど、スティーブの年ではまだ読んでも居なかった。
一番上のお兄様は今、十八歳。
国の為に働きたいらしく、お父様にあれこれ教わっている。
真ん中のお兄様は、十六歳。
なんでも騎士になりたいと言って、騎士官学校に通っている。
下のお兄様は、十四歳。
国の経営する学園の高等部に通うらしく、日々勉強している。
そして私、五歳。
歳が離れているのもあって、お兄様たちとの仲はあまり良くない。
私やお父様、お母様は仲良くなればと思っているのだけど。
お兄様たちは色々と思う事があるのか、未だに仲が進展しない。
この国の方針は、十五歳になれば学園に通わなければならない。
上のお兄様は政治に特化した学園、真ん中のお兄様は騎士官の学園、下のお兄様は貴族が集う学園に行く。
私も、下のお兄様と同じ学園に通う事になると思う。
…そう言えば、私と国の第一王子との婚約の噂があるとかないとか。
何故私?と思う所もあるけど、確証もないのに聞くのもどうかと思うから、今は聞かないでおく。
自ずとわかるもんね、後数年もすれば。
「そう言えば…スティーブ兄様は、何処の学園に通われるのですか?」
「俺か?俺は政治系の学園に通うか、普通の学園に通うか悩んでるんだ」
まぁ、その時の気分だな。そう言ったスティーブの顔は、何処か遠くを見ているような、私にはそう思えた。




