新しい暮らし5
しかも魔法も一切使えないんだから。
「さあ、行きましょう」
僕の手を取ったエリは、横切りながら受付の女性をキッとにらみつけた。
その瞬間はコマ送りのように、一瞬が何倍にも引き延ばされているように僕には感じられた。
エリと二人で専用のエレベーターに乗った。
「それにしても神さま候補生が3人しかいないなんてラッキーだね」
「そうですか?」
「案外簡単に神さまになれたりしてね」
「そんなに甘くはありませんよ。私が生まれたここ9年間、多くの神さま候補生が集まってきましたが、いつも最初の1週間ほどでいなくなってましたよ」
「なんでだろう?」
「おそらくこの先相当ツラい試験が待っているかもしれません」
「わかった。肝に命じておくよ」
エレベーターは20階についた。
目の前には一つの扉があるのみだった。
つまりそこが神さまの部屋ということになる。
エリがドアをノックする。
「どうぞ」
なかから女性の声がした。
エリは意を決して扉を開いた。
中に入ってみると、街全体を見渡せるオープンなオフィス。
元の世界で言うと社長室に似ているなと僕は思った。
「HELLO HOW ARE YOU? MY NAME IS ジェラルドウエスト。冗談だ。国籍はアメリカだが、神になった時点で全言語が話せるようになったよ」
そう言って、引き締まった体をしている白人のジュリーはフランクに握手を求めてきた。
りくとはそれに応える。
隣には金髪の白人巨乳の女性が立っていた。
おそらくジュリーの専属妖精だろう。
「日本人なのに金髪が好みなんだね。君とは話が合いそうだ」
「そう言っていただけると嬉しいです」
「まあ、そう堅苦しくなるな、これでも30歳で年齢は止まっているんだ。君との差なんてほとんど無いと言ってもいい」
ジュリーは机の上にあった、宝石が中央にはめられている置物を差し出してきた。
「これで神性エネルギーを測ることができるんだ。まずは君の神性エネルギーを教えてもらおうじゃないか」
神さまのことだから、僕の神性エネルギーのことはお見通しだと思っていたが、意外とそんなこともないのか。
「あ、ちなみに30歳になって神性エネルギーが開花したら、俺もこんなの使わなくても神眼でわかるんだけどね」
りくとは置物に手をかざした。
すると表示は72000と出た。
エリが言っていた通りの数字だ。
「72000エネルギーか。俺が60000エネルギーだから、それよりも高いわけだな」
ジュリーは専属妖精の手を握る。
「エネルギー、すなわち性欲が強いことはデメリットにもつながる」
ジュリーは専属妖精の髪を撫でる。
「そういう意味では油断しないことだな。ちなみにイスタニアの神、東條ひできは神性エネルギー96000。サシでやったら勝てないが、味方にいると頼もしいやつだ」
国が分かれているから敵同士じゃないのか?と、りくとは純粋に思った。
久しぶりに休日にパチンコに行きませんでした。推敲してたら1日があっという間に過ぎていました。




