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最強番長TS転生で非力から  作者: 塩レモン
第4章 迷宮編

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第32話 練習

それから俺は基本的な五大属性の簡単な魔法を練習した。


火属性のフレイム。


水属性のアーク。


土属性のサントーン。


風属性のウィニック。


雷属性のラズマ。


カーネル曰くこの五つが一番簡単らしい。


「なぁ、全部覚えるまで大体どのくらいかかるんだ?」


「この程度なら3日あれば誰でも出来る。」


「ただし、実戦で使えるレベルになるかは別だがな。」


「じゃあ、とりあえず使えるようになるだけなら簡単なんだな。」


「ああ。」


俺はまず火属性のフレイルから練習することにした。


「そもそも魔力に属性なんてどうやって付けるんだ?」


「簡単に言えばイメージするだけだ。」


「イメージ?」


「そうだ。」


「手のひらに火の熱さや動きをイメージするんだ。」


俺は言われた通り、目を閉じる。


手のひらに火がある。


熱い。


揺れている。


燃えている。


「...」


しばらく集中する。


「何も起きないぞ。」


「そう簡単にはいかねぇよ。」


「イメージするだけなんだろ?」


「曖昧じゃダメだ、しっかり具体的にイメージするんだ。」


「火が燃える為には何がいる?」


「燃料とか...?」


「その燃料は何だ?」


「薪とか...」


「どう燃える?」


「どうって...熱くなって、燃えるんだろ?」


「それじゃ曖昧すぎる。」


「じゃあどうすればいいんだよ。」


「もっと細かく考えろ。火はどんな色だ?」


「赤とかオレンジとか...」


「熱さは?」


「熱い。」


「どれくらいだ?」


「...めちゃくちゃ熱い。」


「だから曖昧なんだよ。」


カーネルは呆れたようにため息をついた。


「炎の形は? 大きさは? 揺れ方は? 何を燃やしている?」


「そこまで考えるのか?」


「魔法は自分の中にあるイメージを魔力で形にするもんだからな。」


そう言いカーネルは軽く手のひらに火を灯した。


「どうだ?」


火は風に揺れ形を常に変えている。


小さくなったり大きくなったり。


生きているように動いていた。


火の上は空間を滲ませている。


顔周りがジーンと熱くなった。


「これが、フレイム...?」


「ああ。初級の火属性魔法だ。」


「...すげぇな。」


俺は火をじっと見つめる。


ただの火だ。


それなのに、カーネルが使うと妙に綺麗に見える。


「じゃあ、やってみろ。」


「分かった...」


俺はもう一度手のひらを見る。


さっきカーネルに言われたことを思い出す。


色。


熱さ。


形。


大きさ。


揺れ方。


そして、何を燃やしているのか。


俺は目を閉じる。


手のひらに炎がある。


赤い。


オレンジ色も混ざっている。


熱い。


空気を揺らしながら、炎がゆらゆらと動いている。


薪を燃やしている。


薪が黒くなり、表面が赤くなっていく。


炎がその周りを包み込む。


「...」


集中する。


すると、


「...あ。」


手のひらが少しだけ暖かくなった。


目を開ける。


「何か出たか?」


「いや...」


手のひらを見る。


何もない。


「でも、ちょっと暖かくなった。」


「それなら一歩前進だな。」


「本当か?」


「ああ。魔力に属性が付き始めてる。」


「なるほど。」


俺はもう一度目を閉じる。


今度はさっきより細かくイメージする。


炎の形。


熱。


揺れ。


燃える薪。


それらを一つずつ思い浮かべる。


「...」


しばらくして、


小さな音と共に、手のひらに小さな火が灯った。


「...!」


思わず目を開く。


そこには、小さな炎が浮かんでいた。


「できた!」


「おう。」


カーネルも少し笑う。


「これがフレイムだ。」


「...本当にできた。」


俺は手のひらの炎を眺める。


小さい。


カーネルの炎とは比べ物にならないし、時間もかかった。


初級でこれだ。


上級に20年かかるって言われるのも納得がいく。


それから、俺は何度もフレイルを練習した。


最初は数秒しか維持できなかった。


少し集中を乱すだけで、炎はすぐに消える。


「難しいな...」


「まあ、初めてならそんなもんだ」


カーネルはそう言いながら、隣で別の魔法を使っていた。


手のひらから小さな水球が浮かび上がる。


「次は水だ。」


「もう次に行くのか?」


「ああ。五大属性を一通り使えるようになった方がいい。」


「分かった。」


俺は水属性のアークを練習する。


火とは違い、今度は冷たさをイメージする。


水の重さ。


流れ。


揺れ。


光の反射。


音。


「...」


手のひらに意識を集中させる。


すると、


ぽたっ。


小さな水滴が落ちた。


「...できた?」


「できてるな。」


「やった!」


しかし、その直後。


ぽたぽたぽたっ。


水滴が次々と落ちる。


「...これ、止め方は?」


「それも練習だ」


「なるほど。」


俺は慌てて魔力を止める。


水は消えた。


「じゃあ、次は土だ。」


「ちょっとは休ませてくれよ。」


「魔法は逃げねぇが、覚える機会もそう多くねぇぞ?」


「それはそうだけど...」


結局、その日は火、水、土の三属性を練習した。


翌日には風。


その次の日には雷。


三日後。


俺は五つの魔法を一通り使えるようになっていた。


「本当に三日で使えるようになった...」


手のひらに小さな炎を浮かべる。


次に水。


土。


風。


そして雷。


五つの属性が順番に手のひらへ現れる。


「すげぇな。」


「だから言っただろ。この程度なら誰でもできるって」


「でも、実戦で使えるレベルじゃないんだろ?」


「発動まで時間もかかるし、ただ出しただけだからな。」


「...やっぱりか」


「だが、使えるようになっただけでも十分だ。」


「そうなのか?」


「ああ。ここから先は練習次第だ。」


俺は手のひらの炎を見る。


三日前は、何も起こらなかった。


今はこうして、自分の意思で火を出せる。


「...ちょっと嬉しいな。」

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