第30.9話 かわいい
とある休日、シェリーは街に出ていた。
今日は一人で買い物をする予定だった。
「えっと...まずはこれを買って~」
シェリーは小さな紙を見ながら街を歩いていく。
「あっ...」
店先に並べられていた小さな動物のぬいぐるみが目に入った。
丸い体。
小さな手。
ふわふわした毛。
「かわいい...!」
シェリーはぬいぐるみを手に取る。
「この子、欲しいなぁ...」
しばらく眺める。
値札を見る。
「...」
少し悩んだあと、そっと元の場所に戻した。
「今日は買うもの決めてきたから...」
名残惜しそうに人形を見ながら、シェリーは歩き出した。
しばらくすると、今度は可愛らしい髪飾りが並んでいる店を見つけた。
「わぁ...これもかわいい。」
花の形をした髪飾り。
淡い色のリボン。
小さな動物の飾り。
シェリーは一つずつ手に取っていく。
「これも...」
「こっちも...!」
「....これもかわいい!!」
気がつけば、両手が可愛い物でいっぱいになっていた。
「...」
シェリーは我に返る
「はっ...買い物しないと。」
本来の目的を思い出し、店を出る。
その後も街を歩きながら、必要な物を買っていく。
そして、すべての買い物を終えた。
「ふぅ、これで全部かな。」
シェリーは買った物を確認する。
髪飾り。
小物。
ぬいぐるみ。
置物。
お菓子。
「...」
シェリーは買い物袋を見つめる。
「あれ?」
首を傾げる。
「私、何を買いに来たんだっけ?」
しばらく考える。
しかし思い出せない。
「...まあ、いっか」
シェリーは買い物袋を抱えて、嬉しそうに帰っていった。
その日の夜。
第六部隊の隊室。
シェリーは買ってきた物を並べていた。
「えへへ、皆かわいい!」
しかし、買い物袋の底から一枚の紙が出てくる。
シェリーはそれを拾う。
そこには今日買う予定だった物が書かれていた。
『日用品りすと』
「...」
シェリーは紙を見つめる。
そして、買い物袋を見る。
可愛い物だらけだった。
「...日用品、買ってないや。」
シェリーはしばらく固まった。
「まぁ、明日でいっか!」
そう言って、ぬいぐるみを抱きしめた。
「かわいい...」
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