第30.6話 掃除
ある日の第6部隊の隊室。
今日の掃除当番はミルネだった。
「お掃除するっすよ~♪」
ミルネは掃除が大好きだった。
というより掃除という名目で部屋に入るのが大好きだった。
まず最初に入ったのはカインの部屋。
ミルネは楽しみは最後にとって置く派だ。
「お邪魔するっすよ~」
カインの部屋は物が少なく綺麗に整っていた。
「やっぱり綺麗っすね~」
机の上には本が何冊か並んでいる。
どれも綺麗に重ねられており、机の端からの距離まで揃っていた。
「几帳面っすねぇ」
ミルネは机の上を軽く拭く。
床にもゴミ一つ落ちていない。
「掃除するところがないっすよ...」
ミルネは少し残念そうに呟いた。
それでも床を軽く掃き、机をもう一度拭く。
「よしっ。次っす!」
ミルネは部屋を出た。
次に向かったのはレーンの部屋。
「お邪魔するっすよ~」
部屋に入る。
ぐちゃぐちゃに散らかっている。
掃除より必要なのは片付けだった。
「なんすかコレ...」
ミルネはベッドの周りを掃除する。
床を掃いて、机を拭いて、布団を整える。
「...これでよしっす。」
綺麗になった部屋を見て、満足そうに頷いた。
「やりがいはあるっすけど...自分でも片付けはしてほしいっすね...」
「次はオルガっすね」
ミルネはオルガの部屋へ向かった。
「お邪魔するっすよ~」
扉を開ける。
「...」
部屋の隅に訓練用の道具。
壁際にも訓練用の道具。
机の横にも訓練用の道具。
ミルネはしばらく黙って部屋を見回した。
「オルガ...」
訓練道具を一つ持ち上げる。
「なんで部屋でも訓練してるんすか...」
床には細かな木くずまで落ちている。
ミルネはため息をつきながら掃除を始めた。
床を掃いて、木くずを集める。
訓練道具を一つずつ整えていく。
「よいしょ...」
「こっちはここっすね」
「これは...ここでいいっすか」
しばらくして、部屋が綺麗になった。
「ふぅ...」
ミルネは額の汗を拭った。
「ここは掃除したって感じがするっす!」
ミルネは満足そうに笑った。
「...さて」
ミルネが向かったのはシェリーの部屋だった。
「ここが2番目に楽しみなんすよね~♪」
ミルネは嬉しそうに扉を開ける。
「お邪魔するっすよ~」
部屋の中には、可愛らしい小物がいくつも置かれていた。
ぬいぐるみ。
小さな置物。
可愛らしい飾り。
「...かわいいっす!」
ミルネは目を輝かせる。
「シェリーらしいっすねぇ。」
机の上にも可愛らしい小物が並んでいる。
その隣には、
「...ん?」
小さな袋が置かれていた。
ミルネが袋を覗く。
「お菓子っすね」
ミルネはお菓子を1つ摘まみながら掃除を続ける。
可愛い小物を傷つけないように一つずつ動かし、机を丁寧に拭く。
棚も拭いて、床も掃く。
「よしっ」
最後に部屋を見回す。
「綺麗になったっす!」
ミルネは満足そうに頷いた。
そして最後に残った部屋へ向かう。
「...カーネル様の部屋っすね」
ミルネは少しだけ嬉しそうになる。
「お邪魔するっすよ~」
扉を開ける。
何もない。
机。
ベッド。
椅子。
それだけ。
「はぁ...」
ミルネは部屋の中を見回す。
「なにもないっすね...」
机の引き出しを開ける。
何もない。
棚を見る。
何もない。
ベッドの横を見る。
何もない。
「物、持たなすぎじゃないっすか?」
ミルネは呆れたように呟いた。
そして、床を見た。
「ゴミもないっす」
ミルネは腕を組んだ。
「掃除する場所がないっす」
しばらく部屋を見つめる。
「...よしっ」
これで掃除は終わり。
ミルネは満足そうに笑った。
「第6部隊、全部綺麗になったっすね~」
ミルネはカーネルのベッドに寝そべった。
読んでいただきありがとうございます。
面白いと思っていただけたら、
ブックマークや評価をいただけると励みになります。




