第21.9話 酒・煙草
不良の必需品とも言える酒と煙草。
まぁ、俺は飲んだ事も吸った事も無いんだが。
特に興味も無かったし、人生で一度も縁はないと思っていた。
そう、この世界に来るまでは...
「ソフィ、ちょっと付き合って!」
カレンに腕を引っ張られ、街の大通りまで連れて来られた。
夕方になると、この街は昼とは違う賑わいを見せる。
酒場からは笑い声が聞こえ、香ばしい肉の匂いが漂う。
「今日はね、お祭りの日なの!」
「祭り?」
「豊醸祭だよ!皆でお酒を飲んで盛り上がるんだよ!」
なるほど。
だから酒場がこんなに騒がしいのか。
店先には樽が並び、大人達が木製のジョッキを片手に乾杯している。
「ソフィも飲んでみる?」
「いや、未成年だろ。」
「みせいねん?」
「あ...」
しまった。
この世界にそんな法律があるか分からない。
「子供は飲まない方がいいって意味。」
「それなら大丈夫!」
カレンは笑って頷いた。
「私も飲んだことない!」
「じゃあ飲むな。」
「うん!」
妙に素直だった。
その時、甘い香りが鼻をくすぐる。
「これ、ぶどうジュースだよ!」
カレンが二つ買ってきた。
「乾杯!」
木のコップを軽く合わせる。
酒ではなく、ただのジュース。
それでも祭りの雰囲気は十分だった。
「煙草は?」
「嫌い!」
カレンは即答した。
「煙たいもん!」
「俺も自分から吸いたいとは思わないな。」
「じゃあ一緒だね!」
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