11、強くてニューゲーム……?
【ろーざ・ふぉん・ふぇるめーる(?)】
HP ルリボシヤンマ
MP マウス
AT スナネズミ
MAT ミジンコ
DEX コチドリ
AGL リスモドキ
AVO キタイワトビペンギン(陸上)
書斎の机の下に隠れ、目の前に出現させたステータス画面に並ぶ文字を読み返すこと数回。
体力等がなぜだが動物の名前で表示される画面は、どこぞの神の悪ふざけか、それともバグ的なものなのか。
当然、私にその答えがわかるはずなく、頭の中で責任者出てこいと暫く繰り返すも無反応。
もはや時間の無駄だと、次に進むことにいたしました。
人生諦めが肝心なのです。
「で、経験値の反映はやっちゃってもいーものか」
ステータス画面にはこんな問いかけがあった。
前回までの経験値を反映させますか?
→はい
オッケイ
もちろん
選択肢があるようでない。
やっぱりふざけているとしか思えない。
つーか【前回までの】って何を指す言葉だ?
「前世の記憶のこと?それともゲームの能力?」
確かに【境スタ】はクリア後の能力を引き継ぎ出来るタイプのゲームです。
レベルは1に戻るけれど、武器とかスキルとか持ち越せるのよね。
でも、経験値の反映なんて操作はなかった、よねぇ……。
あれ?
そーいえばこのステータス、レベルの表記が無いわ。
やっぱ、バグってるのか?
「むー……先にアイテムの確認をするか」
武器を装備したときにルリボシヤンマ等がどうなるかちょっと興味あるし……って、しりとりがルからはじまってるのは、ローザの名前の最後がルだからか。
あはは~ご丁寧にンで終わってるねー!
AVO君の敗けだねー!
やっぱ責任者出てこいやごらぁぁ。
「平常心、平常心ですよローザ」
かわゆいローザちゃんに鬼の形相など似合わないのです。
キースママに「お花ちゃんみたいね」と誉められるような、少女でありたい。頭の中身が残念だとディスられてる訳ではないと信じている。
「とにかく、アイテム確認っと…………ん?」
キャンセルボタンの×を押すイメージをするが、画面が変わらない。
あれ?オートメモなんちゃらからステータス画面に変えるときは、この手順でいけたよね?
もう一回落ち着いて、コントローラの×ボタンをカチャリとな。
…………。
なして?
「えーと……落ち着こう。カーソルは動くのか?」
ピコピコと音をたて、三つの選択肢を→がいったりきたり。
反応はする。なら、何故にステータス画面が閉じないのか。
「あ……△か。△ボタンを押せばいいのかな?」
もう一度落ち着いて。
コントローラをイメージ。
△ボタンをぽちっとな。
ブー!!
脳内に響くエラー音。
じゃぁ□だ!と□を押したら。
ブーブーー!!
エラー音。
あげくの果てに、表示されている画面からステータスの半分以上が消えてこうなった。
前回までの経験値を反映させてもよろしいですね?
→はい
オッケイ
もちろん
おぉうっ!?
問いかけの強制力が上がっている、だと?
いったいなにがあった。
えーと。
なんか、すごく怖いから、ローザ嫌だなぁ。
懲りずに×ボタンを連打して、ビービーと警告音が鳴り響き。
そしてついに。
プツンとテレビの電源が落ちるように画面が真っ暗になって、数秒後、再起動した。
前回までの経験値を反映させます
→はい
オッケイ
もちろん
当然
らじゃ
もーまんたーい
目指せ ピリオドの 向こう側
いやぁぁぁぁ!なにこれなにこれなにこれぇぇ!
怖い怖い怖いっっっ!恐怖しか感じません!
問いかけが最早、決定事項になっているじゃないですかー!
強制処置じゃないですかー!
ぬぁあにがモーマンタイだー!
問題ありまくりだと声を大にして私は言いたい!!
そして、×も□も△も無反応となり、ついにカーソルが勝手に動いてピコピコと点滅を始めた。
→目指せ ピリオドの 向こう側
「よりにもよってそれかぁぁぁ!どーにもならないのならせめて無難に【はい】を選択させ……イダッ!!!」
机の下に隠れていたことも忘れて、怒りのあまり立ち上がろうとし、思いっきり頭をぶつけて悶え苦しんだ。
頭が割れるかと思った。
体力が削れた気がする。
表示されてないから、ルリボシヤンマかどうかももはや分からんがな。
何の呪いでしょうか?
ピコン
→もーまんたーい
のぉぉぉ!むーかーつーくぅぅぅ!
誰かこのステータス画面が表示されているパネルを粉々に叩き割ってくれよ!今すぐになぁ!
残念なことに、パネルには触れることはできず、伸ばした手はすり抜けただけでした。ちなみに、私以外の人にこれは見えていないらしい。
端から見ると、なんにもない場所をじっと見つめて、延々独り言を呟いている変な人になるんですよね。
うん、気を付けよう。
ピコン
前回までの経験値を反映させなさい
→はい よろこんで
最終的に命令口調になりましたが、私の望みもちょっぴり叶えてくれたようなので、妥協しました。
話進まないし。しゃーなぃ。
決して喜んではいないことだけは、心の中で反論して、○ボタンをカチャリと押す。
いや、ほんと、人生は諦めが肝心なんですね。
前回までの経験値を反映させました
メニュー機能の更新が終了しました
ステータスの更新が終了しました
メニューを表示しますか?
→はい
オッケイ
もちろん
ま た か 。
キャンセルも他の選択もさせないなら、最初から選択形式にするなよ。
試すのも面倒で、素直にハイを選択する。
メニュー
→ステータス
アイテム
「項目がこじゃんち減ってるじゃんけぇぇぇ!」
ああー!だめよローザっ!もっとおしとやかで上品にっ!
「これはいったいどうゆうことざます!」
……うん。大いに間違った。
もういい。
どうでもいい。
サクサク先に進みたい。
ただでさえ、病院&軟禁ルートのフラグをおったてて、タイムロスしているし。
「……ふ、ふふふ。もう余程の事じゃないと動じたりしないわ。むやみやたらに突っ込まないからね」
では。ステータスのルリボシヤンマさんたちがどうなったかみてみよう。
ぽちっとな。
【ろーざ・ふぉん・ふぇるめーる(仮)】
物理攻撃力 999
魔法攻撃力 999
魔法
全属性最上級レベル使用可能
スキル
ポーカーフェイス(鉄面皮)
パーフェクトガード(物理・魔法攻撃無効)
オールクリーン(状態異常無効)
イミテーション(猿真似)
「なんでやねーん!!」
心の中のちゃぶ台を、思いっきりひっくり返した。
ところで、ちゃぶ台ってなんですかね?
なんかこう、まるくて、足が短くて、木目が……ああ、ダメだイメージがあやふやになった。
くそ、やっぱり記憶の弊害が激しいな。
だがしかーし!私は騙されないぞ!
過去の記憶は曖昧でも【境スタ】への愛は微塵も揺るがぬわ!
騙されるものか、騙されるものかぁぁ!
境スタのステータス画面はこんなに簡素じゃなかっただろー!
ちゃんとよくあるRPGのステータスでしたよー!
つか防御力ってこの場合どーなるんだよー!?
「ぜぇはぁ、ぜぇはぁ……なんだろう、無駄に疲れる。何でこんなことになったんだっけ?ってゆーか……999って、カンスト」
してるよねー。
あとなんかスキルがヤバイことになってる……ぁぁ、だから防御力とか表記されないのか、ダメージ受けないから。
なんか、物凄く疲れた。
そして私はキースが見つけ出してくれるまで、机の下でひたすら項垂れていたのであった。
少し短いですが区切りが良かったので。
しおり感謝です。
今後ともよろしくお願い致します。




